(苦)『甘い人生』

ソヌ(イ・ビョンホンさま)は、ソウルの一等地にあるホテルの支配人を
任されていたが、それは表の顔。実は。裏社会の重鎮でもあるカン社長
(キム・ヨンチョルさま(*^^*)ポッ)の秘蔵っ子であり、幾つかの人には
言えない仕事を経て此処迄上り詰めた冷酷な男としてソヌは通っていた。
そんなソヌにカン社長は、ある任務を命じる……。

カン社長には、ヒス(シン・ミナ御嬢様)と言う若い愛人がおり、自分が
上海に行っている3日間に彼女に男が出来ていないか監視しろと言うもの。
しかも、男がいた場合に二人共々始末するか、自分に連絡しろと命じた。
ソヌは、単なる任務と考えヒスの行動を監視していくが、社長の予感は
的中。やはり男が居た。それも若い男。ソヌは社長に電話をし掛けるが
止めてしまう。そして、この時のソヌの決断は、対立する勢力に加えて、
かつての仲間たちをも敵にまわし、とんでもない陰惨な展開を迎えるので
ありました……。

実を言えば、予告編を観て観る気を失った本作品。タイトルも「甘い人生」
ってナメています。因って「御縁がありませんでした」にする積りでしたが、
各掲示板に吹き荒れる轟々たる反響の嵐……皆様一様に「こんな映画だっ
たの?!」と言う反応。

観てみて納得。韓流ノアールですわ。これは……\(^o^)/
「これは私の代表作になる」と主演のイ・ビョンホンさまが語って話題に
なりましたが、(・∀・)イイ!! 根性しています。キラー・スマイルだけでは
無くてかなり本質的に男っぽい人なんだなぁ……と再認識。

この映画で特筆すべきは、イ・ビョンホンさまが殆どノースタントでこの
役を演じた事。これがまあ……驚くべき身体能力でして、回し蹴りの時に
脚が見えないんです。それ程早いし、柔軟性も瞬発力もある。これには
驚きました。映画の中では背中しかヌードになっておりませんが、脚部
(大腿ニ頭筋……太股の後ろ側)から尻(大臀筋)をジックリと見てみ
たい!そう思った稀なる俳優さんです。上半身を鍛えている俳優さんは
多いだろうけど、脚のトレーニングってかなり回数をこなさないと成果
が出ないんですね。その意味でどんな脚と尻なのか尻たい、尻たい(^^;

そして、カン社長(キム・ヨンチョルさま(*^^*)ポッ)が醸し出す大人の
「色」に悩殺!(*^^*)ポッ白髪交じりの髪をロマンス・グレーとは良く言
ったもの。独特の威圧感と一分の隙も無く着こなしたシルクのシャツの
色合いがマッチして素敵!の一言!自分がヒスだったら、絶対に若い男
と浮気はしませんけどねぇ……。

そしてシン・ミナ御嬢様演じたヒロインのシスに魅力が無いのもまた凄い!
何でこんな女に惚れたの?!と普通の映画だったら怒るところですが、
これがフィルム・ノアールの魔力でして、「魔性の女」で片付いてしま
う。(笑)
悪女でも何でも無いのに、周りにいる男が皆不幸になってしまう「後家
相」な普通の女。う〜む『ダメージ』ですなぁ……トホホ

監督と脚本を担当されたキム・ジウンさま。これが初見ですが、オフ・ビ
ートなブラックな笑いの要素も取り入れ、一つの事件から全てが破滅に
向かう「崩壊劇」を構築したのは、些か力技の要素もあるでしょうが大し
たものです。

冒頭に風にそよぐ大木の枝……それを受けてのナレーション。
「揺れているのは風ですか?それとも枝ですか?」それを受けての和尚
の答え「揺れているのはお前の心だ」これを読んでピンと来た人も多い
でしょうが、臨済禅で用いられる「公案」の一つ「非風非幡」。
韓国は儒教&基督教主流の国だと思ったのですが「仏教」も生活の中に
根付いているんだなぁ……と再認識。

最後のナレーションに関しては、「公案」にあるかどうかは、資料不足
の為判りませんが、有ったとしたならばズバリこの映画の本質を突いて
います。
男が泣いていた。「悲しいことか悔しい事でもあったのですか?」と
別の人が尋ねた。「私は楽しい夢を見ました。それで泣いているのです」
男はそう答えた。「ならば何故貴方は泣くのですか?」そう人は尋ねた。
「それが絶対に手に入らないものだと知っているからです」と男は泣いた。

現代的な洗練されたラウンジが惨劇に因って壊され、そんな中横たわる
死体。それにしてこのナレーションによる「無常感」大したものです!
禅の世界では「霊魂」を否定しますが、最後に映し出されたものは、ソヌ
が現世に遺した無念の亡霊なのか……それとも、迷いを振り切った往生
なのか?今回は迷いを捨てきった「往生」と解釈していますが、皆様の
答えや如何に?


初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2005年5月8日 ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて鑑賞)

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