(単)『不都合な真実』

「不都合な真実」とは、地球温暖化問題のこと。二酸化炭素等
の温室効果ガスが増えることで地球の気温が上がる「地球温暖
化現象」。これにより海水面の上昇や異常気象、巨大ハリケー
ンの発生、生態系の変化といった事態が引き起こされている。
このまま行けば、植物や動物、そして人類は危機的な状況に陥
ってしまうだろう。こうした地球温暖化問題に元々熱心に取り
組んでいた元米副大統領のアル・ゴアは、環境問題に関するス
ライドによる講演会を世界中で開催。人々の意識改革に乗り出
していく……。その姿に迫ったドキュメンタリー。

1958年からこの問題に関心を持ち続けてきた恩師も凄いけ
れども、目先の利益を追わず世界中を駆け回っているゴア元
副大統領もまた凄い。日本では余り知られていないんですが、
この方、名家の出でして「何もせずに食べていける人」なん
です。だからこうして世界中を殆ど無報酬に近い形で飛び回る
事が出来るんですが……。

さて、そのゴア元副大統領の志は大変に高く評価しますし、
この講演自体も大変に良く出来ているんですけれども、それが
故に落とし穴に嵌っているんですよねぇ。その落とし穴とは何
かと言えば、この講演自体が大変に練れているが故に、映画の
製作スタッフが自ら探し出した「事実」が何処にも見当たらな
い点なんです。キツイ言い方をすれば、環境問題のプロバガン
ダフィルムと堕している感すらあるんですねぇ。

ドキュメンタリー「映画」として再構成するならば、最初に
ゴア元大統領の言説を出して、中盤に映画の製作スタッフが
各地から集めた「反証」を用意して、後半に元副大統領がそれ
について「再反論」を行う。この位のバクチが必要だったんで
は無いかと観ながら思った点なんですね。

優れたドキュメンタリーなり、ノンフィクションは「複眼」か
らしか生まれて来ないと自分は思っております。ゴア元副大統
領が御自ら取材をしてきた「講演」そのものは「複眼」に基づ
いていてそれが故に説得力があるんですが、映画として観てし
まうと、それが災いして「単眼的視点」に留まってしまうので
すねぇ。それが勿体無いと感じた次第です。

しかし……この映画500円で観せて頂いて、これだけ文句を
付けると言うのもある意味凄いかも知れません(^^;

「パニック映画友の会」大倉 里司
(2007年1月28日TOHOシネマズ六本木ヒルズにて鑑賞)

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