(水)『キャビン・フィーバー』

大学生活の最後の夏。ポール(ライダー・ストロングさま)、カレン(ジ
ョーダン・ラッド御嬢様)、ジェフ(ジョーイ・カーンさま)、マーシー
(セリナ・ヴィンセント御嬢様)、バート(ジェームズ・デベロさま)の
5人は最後の夏休みを楽しもうと、森のキャビンを借りていた。しかし彼
らの楽しいパーティーは、バートが森の中で出会って仕舞った血だらけの
男ヘンリー(何と!TRLのアリー・ヴァーインさまだった!)が突然
乱入してきたことで一変した。その男は皮膚が爛れ、血膿と血の混じった
嘔吐から、ポールらは伝染病と判断。恐怖に怯えたポールは、キャンプ
ファイヤーの燃え盛る焚き木で男を火だるまにしてしまう……。
罪の意識に苛まれる5人……
森で最初にあの男と接触したバートの予想は的中!翌日からカレンが体調
不良を訴え始めた。彼女の皮膚はしだいに腫上がり、爛れ、傷口から血と
膿があふれ出る。しかし自分にも伝染するのではないか?不安のあまり、
彼らはカレンを納屋に閉じこめ、隔離することにしたのだが……。

非常に意図的に作られた「悪趣味全開」の映画です。好きか嫌いかと聞か
れたら「余り好きでは無い」と答えざるを得ないでしょう。ですが、
イーライ・ロス監督の演出は、そんな事は百も承知。非常にブラックな笑
いと共に悪夢の世界へと誘います。

何でこの映画が余り好きでは無いかと言えば、「笑い」の部分なんです。
自分も非常に毒気がある人間ですが、「恐怖」に「笑い」を持ち込む技法
は肌に合わないんです。これは好き嫌いの問題。映画として観るとかなり
完成度は高い部類なんですねぇ(--;)

伝染病に感染したハリーが火だるまになり、なんと貯水池にて死亡!これも
意図的なんですが、この池……貯水池としては余りにも汚い!(爆)それが
山小屋に繋がっていたから、感染するのも無理は無いと言う次第。
この貯水池とは別に、ポールとカレンが二人で泳ぐ湖……そして川と淡水系
ではあるんですが、よくも此処迄してくれたもんだ……(涙)

で……この映画で感心したのは、所謂「ショッカー演出」を殆ど使って居
ない事。ギョッと驚かすばかりで、肝心要の中身が無いのでは無く、そこに
使う労力を薄気味悪〜い小世界を確立させている事に費やしているんです
ね。これは素直に誉めたい部分。

不満が残る部分としては、途中で立ち寄る商店があるんですが、此処の住人
が余りにもアメリカン・ゴシック調に描かれて仕舞っている事。これも……
「笑い」を優先させた演出故だとは思うんですが……やっぱり苦手だなぁ。

恐怖と共にあるのは「哀しみ」であったり「怒り」と言う「陰」の部分が
自分は好きなんで、「笑い」と言う「陽」の部分はどうも……

自分的には、どうも最後の最後まで馴染めない映画でありました。
ナ○クジが出てきても『デビルズ・バックボーン』の方が、自分的には
好みの作風だったりします。

自称「カルト部屋御挨拶係」大倉 里司
(2005年5月1日銀座シネパトスにて鑑賞)

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