(甘)『カサノバ』

1千年の間栄華を謳歌してきた海の都のヴェネチア共和国。
そんな都の話題を独占し、愛し、愛され、あらゆる女性たち
を虜にするカサノバ(ヒース・レジャーさま)の前に、ある
日一人の女性が現れた。彼女の名はフランチェスカ・ブルー
ニ(シエナ・ミラー御嬢様)。型破りな男顔負けの剣士かと
思えば、大学教授をも論破してしまう知性あふれる女性で
ありましたが、実は彼女の家は借金漬けの状態。母アンドレア
(レナ・オリン姐さん)が決めた、富豪であるパプリッツィオ
(オリヴァー・プラットさま)との政略結婚に因って、何とか
家の再建を図ろうとしていた。ひょんなきっかけでカサノバと
知り合ったフランチェスカは、彼がカサノバとは知らずに巷で
の評価を打ち砕いてしまう。それはカサノバが受けた初めての
屈辱でありました……。

計らずもチラシに書かれていた各著名人の宣伝文句。普段は
着目しないのですが、「スピードワゴン」の井戸田潤さまが
真実を突いたことを書いていらっしゃいます。

「この映画には男性の夢、そして一瞬でも本気で愛されたこ
とのある女性の共感が詰まっている。
最高に”あま〜い”ラブストーリーです。」


最初の二行は御世辞と受け取りましたが、最後の一行に「毒」
が入っていますねぇ……。そうなんです。甘ったるくて胸焼け
がしそうな陳腐な筋立て。
終わり良ければ全て良しと、予定調和的にハッピーエンドを迎
えるのは別段構わないけれども、そこに至る迄の展開が意外性
も何にも無くて「ああ……そうなの……それで……」と退屈で
欠伸を堪えるのに一苦労。

キャストの方も、『ブロークバック・マウンテン』とは180度
違った役柄のヒース・レジャーさまに、ジェレミー・アイアンズ
さま。そしてルネッサンス期に存在したヴェネチアの高級娼婦を
描いた『娼婦ベロニカ』でも出演なさっていたオリヴァー・プ
ラットさま迄出してくるのは流石は聖林と思いつつ……残念な
がらそれが上手い事活かされていない気がするんですねぇ……。

同じヴェネチアを描いた恋愛劇『鳩の翼』で描かれた10分の1
の毒気があれば、もう少しまともに観れたかも知れないと考える
と極めて残念。まあ……これはあくまでも自分の好みなんですが
ねぇ……(--;)

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2006年6月21日 テアトル・タイムズスクエアにて苦行)

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