(緊)『ホテル・ルワンダ』

1994年、アフリカのルワンダで長年続いていた民族間の諍
いが大虐殺に発展し、僅か100日で100万もの罪なき人々
が惨殺された。アメリカ、ヨーロッパ、そして国連までもが
「第三世界の出来事」としてこの悲劇を黙殺する中、ひとりの
男がこの事態に対処していこうとしていた……。
「アフリカのシンドラー」と呼ばれたこの男性は、ルワンダの
高級ホテル「ミル・コリン)の支配人のポール・ルセサバギナ
(ドン・チードルさま)。命を狙われていたツチ族の妻タチア
ナ(ソフィー・オコネド御嬢様)をもつ彼の当初の目的は、
なんとか家族だけでも救うことだった。しかし、彼を頼りに集
まってきた人々、そして親を殺されて孤児になった子供たちを
見ているうちにポールの中で何かが変わっていった……。

2004年度アカデミー主演男優賞、脚本賞、助演女優賞に
ノミネートされながら、何故か日本では危うく御蔵入りされ
そうになったそうなんですが、ネット上の署名活動により、
公開迄漕ぎ付けた経緯がある作品です。映画関係の御屋敷を
ずらずらと見ても観た人全員が絶賛する本作……果たして自分
の好みは?と思っていたのですが……杞憂に終わりました。

宣伝上は「感動作」と言う括りをされている様ですが、この
映画こそ「超弩級のサスペンス大作」と呼ぶに相応しい言葉は
ありません!

最初は不穏な空気があちらこちらで流れ始め……ユーゴ紛争を
扱った『ブゴバルに手紙は届かない』を彷彿とさせる作品かな
ぁ……と思っていたんです。内戦の悲惨さは、今迄隣人だった
人々が否応なく敵対関係に曝されてしまう事に尽きるんですが、
今回のケースは「内戦」と言うよりも、70年代にカンボジア
で起きたポル・ポト政権における「クメール・ルージュ」の
大虐殺に匹敵すべき大惨劇。12年前に起きた大虐殺にも係わ
らず自分がそれを知ったのは数年前WEBサイト
「D坂髑髏亭」
にてそれを知った次第。m(_)m

この映画の凄まじいところは、国連軍は事態の推移を見守るだ
けで援助はしてくれない……政府軍は賄賂でしか動かない……
従業員の中にも民兵組織と結託し、「この世の春」を謳歌して
いるものが居る……正しく四面楚歌の状況で、いつツチ族全滅
を旗印とする民兵が襲ってくるか判らない一寸先は闇の世界を、
ホテルマンとして培った「交渉術」だけで乗り切れるのか?
究極のサスペンスがこの映画の中には充満しているんですねぇ。

公開しているところは数少なくなりましたが、一瞬たりとも画面
から目が離せない推薦作として是非御覧頂ける事を切に願って
止みません。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2006年3月1日 シネプレックス幕張にて鑑賞)

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