(助)『炎のメモリアル』

ボルティモアの穀物倉庫で大規模な火災が発生した。仲間と共に現場へ駆
けつけた消防士のジャック・モリソン(ホアキン・フェニックスさま)は、
爆発の危機をはらんだ建物の中に飛び込み、12階に取り残された生存者
の救出に全力を尽くす。恐怖に脅える生存者を力強く励まし、窓から
ロープで脱出させるジャック。その直後、背後で爆音が轟き、床の穴に呑
み込まれたジャックの身体は、数階下のフロアに投げ出されてしまった。
もはや自力での脱出は不可能。仲間の救援を待つあいだ、ジャックの脳裏
には、人命救助の熱い志を抱いて消防の仕事に就いた、あの懐かしい日々
の思い出が蘇ってくるのでありました……。

新米の消防士が入隊して……様々な苦労を経て成長していく姿と言えば、
『バックドラフト』がありましたが、あちらよりもよりストレートに消
防士の日常生活。そして救出活動……そして仲間の死等を回想を交えて
描き出しています。

ボルティモアの火災シーンと言えば、『わが心のボルティモア』で、
主人公一家が大型家電店を立ち上げた直後、火災が起きて……と言う
シーンがありました。その時は、まだ子役だったイライジャ・ウッド君
が火事になって仕舞ったのは自分の責任と感じ、泣きながら祖父の家を
訪れる名シーンが印象的でしたが、あの映画で描かれていた1950年
代の町並みがその侭残っている区域でロケしているだけありまして、
それだけでシミジミと来るものがありました。

今回特筆すべきものは、火災現場に関しては殆ど実際に火事を起こして
その上で撮影していると言う事。そして、レスキュー部隊の救助方法
が自分の眼から見ても不自然な箇所が殆ど無いと言うことなんです。

今回の映画にあたって「おやっ?」と思った点がありまして、仲間の死
が割とアッサリと処理されて、その分主人公のジャックの妻であるリンダ
(ジャシンダ・バレット御嬢様)や、消防署長であり、良き理解者のマイク
・ケネディ(ジョン・トラボルタさま)の描写が丹念に描き込まれていた点。
そして、アイルランド系アメリカ人の祝祭(聖パトリックの日)とか、カソ
リック教会での結婚式。出産してからの洗礼、そして仲間の葬儀……何でも
無い様に見えて実は重要な伏線であった事に気が付かされました。













出来れば映画を観た後でお読み下さい。

(いきなりラストに言及しています)

















普通、この手の映画であれば、サブ・キャラクター格が亡くなって、その後
を継ぐ様に主演の方が成長し、また新米が入って……と言うパターンが王道。
前述した『バックドラフト』もお約束通りの展開に、若干ミステリー色も交
えて……なのですが、今回のモリソンは何と殉職してしまうと言う設定。
落下したフロアから、隣のコントロールルームに脱出した迄は良かったので
すが、火の勢いの余りの激しさに自ら他隊員の命を守る方を優先し、本部長
のマイクがそれを受け入れ撤退させると言う非情の決断をさせてしまうと言
う展開にビックリ仰天!
まあ……これが、9・11の世界貿易センタービル崩落の際に殉職された
多くの消防士の方に捧げられた映画と言う事もあるんでしょうが……。
最初の殉職した仲間も、言わば廃屋の火事で亡くなってしまっており、次に
大火傷を負ってしまう方も、全員避難した工場での事故でして、とても華々
しい活動とは言えない地味な活動の結果生まれたことなんですね。

勿論、彼等の救助に因って助けられた方も出てきて映画を盛り上げるんです
が、それもラストのモリソンの死によって全部すっ飛んでしまう感があるん
です。
この結末……パニック映画としては、ちょっと難アリですが、大河浪漫とし
ては結実している所。因って実に評価が難しいんですねぇ。
映画そのもののテーマは、十分に理解しております。主人公であるモリソン
を殉職させ葬儀の場面を描き、悲劇として引き締めているのも判ります。
でも……ここまで丹念にジャック・モリソンの「生」を描いたのならば、
助けてやれよ……と言うのが本音。
現実問題として、日々多くの消防士の方が活動し、その何パーセントの方が
殉職されている現状だからこそ、こうした結末にせざるを得なかったんで
しょうが……。何とも言いずらい「澱」が溜まるんですよねぇ……。

  「パニック映画友の会」
初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2005年5月23日 ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて鑑賞)

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