(晴)『リトル・ミス・サンシャイン』

アリゾナ州に住むフーヴァー家は、ちょっと風変わり
な一家。家長のリチャード(グレッグ・キニアさま)
は、徹底的な「負け組否定論者」出版社に掛け合って
『9ステップ成功論』を出版させようと躍起になって
いる、そんな父親に愛想を尽かした息子ドウーェン
(ポール・ダノさま)は、戦闘機のパイロットになる
夢を持って筋トレに励み、片やニーチェに傾倒して
「無言の行」を続けている。9歳になった娘のオリー
ヴ(アビゲイル・プレスリン御嬢様)は、ミス・リト
ル・サンシャインを目指して、老人ホームを追い出さ
れた大ワル親爺グランパ(アラン・アーキンさま)の
指導の下、ダンス練習に励む日々。唯一マトモな母親
のシェリル(トニ・コレット御嬢様)は、何とか家族
を纏めようとしているのですが、実兄フランク(ステ
ィーヴ・カレルさま)がゲイの恋人に捨てられて自殺
未遂をしたので自宅に引き取り、6人体制の大家族に。
そんなある日、ひょんなことから「ミス・リトル・サ
ンシャイン」決勝の地、カリフォルニアに一家揃って
オンボロのミニバスにて向かう旅が始まろうとしてい
た……。

いやいや……第19回東京国際映画祭での鑑賞は、
今回3本に収めましたが、唯一素直に笑い、拍手喝采
させて頂いたのが本作品なんですね。
上に延々とキャラクター紹介をして参りましたが、
殊にロード・ムービーですとキャラが立っていないと
どうしようも無く退屈な代物になってしまうんですが、
これだけ個性豊かな家族が珍道中を繰り広げていくの
でありますから面白く為らない訳はないんです。

この映画でオオッと思ったのは、オープニング・タイ
トルが叔父のフランクの病室から始まっている点なん
ですね。手首を切り自殺未遂したフランクがぼんやり
と窓の外を眺めている……。そこには「生への希望」
が見えていないのでありますが、物語が加速していく
につれて「どこが鬱病なんじゃい?!」と思ってしま
う程弾けていく様は、自分もそうであるだけに元気を
貰った感じが致します。

バラバラに見えた家族。でも、なんだかんだとお互い
が気遣い困難を乗り越えていく過程で共に笑い、共感
していく。

全米で最初は7館のみの上映だったらしいのですが、
「口コミ」&「ネット」によって広まった快作として
好きな一本となりました。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2006年10月28日第19回東京国際映画祭にて鑑賞)

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