(魔)『あるスキャンダルの覚え書き』

年齢が離れた夫リチャード(ビル・ナイさま)と2人の子供を
持ちながら、15歳の教え子スティーヴン(アンドリュー・シ
ンプソン君)と不適切な関係を結び、その関係が世間に露呈し
てしまった美しい美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット御
嬢様)。教師の起こしたスキャンダルに、世間や周囲からの批
判がシーバに集中する。そんな中、同僚でシーバの友人でもあ
るベテラン教師バーバラ(ジュディ・デンチ姐さん)だけが彼
女をかばう。だが一方でバーバラは、スキャンダルの全容や
シーバの身に起きたことをすべてを日記に綴っていた……。

予告編で観たときから、これは観ずには死ぬ訳にはいかない
映画だと思っておりましたが、その期待は裏切られる事は
ありませんでした。冒頭でジュディ・デンチ姐さん演じる老嬢
バーバラが、丘の上にあるベンチで一人佇んでいるシーンから
並々ならぬ緊張感が走り、バーバラがナレーションを始める
ところで緊張のコードが確定するのです。周囲からは恐れら
れているが誰一人親しいものは居ない。唯一彼女の心の支えと
なっているのは年老いた猫一匹。
片や、中年に差し掛かりの美術教師シーバは、とある切っ掛け
から15歳の教え子であるスティーヴンと関係を結んでしまい
何度か切ろうとするのでありますが、肉欲と精神状況のバラン
スを保つ為には危険を承知で関係を続けていかなくては為らな
い。

自分から見れば両方の女の一部分を持っていますね。家に戻っ
ても誰一人話す相手が居なくて、職場以外ではパソコンの画面
を通してでしかコミュニュケーションを取れない状況。
そして、これはと思った人には過剰に期待と勝手な献身をして
しまい相手から切られてしまうのはバーバラと同じですし、性
的に一度歯止めが取れてしまうと場所構わずにやってしまい、
また基本的に隠し事をしないと言うところがシーバと同じとこ
ろがあります。

この二人のバランスが、スティーヴンとの関係に因って一度崩
れ掛け、バーバラの計算に因って表面上は何事も無かったかの
様に振舞うことにより、一回目の危機はクリアー。
しかしながら、「ある事件」と「ある人の来訪」に因って運命
の輪が急速に回転し始めて取り返しのつかない事態に転落して
しまう。傍から見ていたら二人の女の不幸でありますが、実は
バーバラにとってはこの状況ですら幸せだったと言う暗澹ぶり。

実はラストシーンにだけちょっと不満があるのですが、自分と
してはバーバラが日記帳を開いて、何も書くことが無いと言う
不毛の状態で終わらせた方が良かったかなぁ……と思ったりも
します。しかし、これは些細な疵でして、人間関係の危険な
関係を描いたものとしては『危険な関係』や、映画化はして
おりませんが2003年度書かれた、桐野夏生さまの小説
『グロテスク』すら凌ぐ傑作として強く推薦させて頂きます。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2007年6月3日 日比谷シネシャンテにて鑑賞)

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