(香)『パフューム』

舞台は18世紀パリ。悪臭立ち込める魚市場で一人の子供が生み
捨てられた。彼の名はジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・
ウィショーさま)。親の愛すら知らぬ彼に神が彼に唯一与えたの
は、あらゆるものを嗅ぎ分ける驚異的な嗅覚だった。一切の体臭
を持たない特異な体質と、その嗅覚による奇行から周囲に疎まれ
続けるグルヌイユ。ある時、街で偶然出会った女の芳しい体臭に
取り憑かれてしまった彼は、その香りを手に入れるために調匂師
バルティーニ(ダスティン・ホフマン御大)の弟子入りをし、
日々香水造りに没頭してゆく。非凡な才能から生み出される数々
の香水は、瞬く間に人々を魅了するが、それは彼の求める香りで
はなかった。彼は香水の「聖地」グラースに足を向けるのであり
ましたが、そこで運命の出会いをする事になる……。

映画化不可能とさえ言われたパトリック・ジュースキントの原作
『香水〜ある人殺しの物語』(池内 紀訳)の完全映画化!!!
原作より抜きん出たところはありませんが、それにしてもこの
原作を映像化しただけでも敬意に値します。小説の場合、頼れる
物は「言葉」だけでそれを読者がそれぞれのイメージで補う作業
が行われるのでありますが、バルティーニの住んでいた住居の
描写には目を瞠りました。そして、香水の基本であるトップノー
ト、ミドルノート、ラストノートと言う香りの三原則を映像と
台詞にて表現してしまったのには舌を捲きましたねぇ。

そして、クライマックスでの「究極の香り」の描写では、音と光
だけを使って実際には香らない制約の中で見事に映し出す事に成功
しております。

今回、その偉業を達成した才人は、『ラン・ローラ・ラン』の
トム・ティクヴァ監督。監督のみならず、脚色、音楽迄手掛けて
いるからその才能たるや恐るべきものがあります。
ベルリン・フィルハーモニーが奏でる旋律と共に究極のフェティ
シズムの世界に酔い痴れて下さい。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2006年11月25日東京国際シネシティフェスティバル2006にて鑑賞)

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