(伝)『胡同のひまわり』

1976年の北京。胡同(フートン)と呼ばれる下町に
暮らす母子のもとに6年ぶりに父親(スン・ハイインさま)
が帰ってきた。文化大革命に伴い強制労働に借り出され
ていたのだ。母親(ジョアン・チェン姐さん)は夫の帰還を喜
ぶが、9歳のシャンヤン(チャン・ファンくん)は余り
面白く無い。父親は絶たれた画家への夢を息子に託すべく、
厳しい教育をほどこしていくのだが、シャンヤンは必至に
抵抗を試みるのだった。そうして中国の激動の現代史を
背景に、シャンヤンと父親の30年にわたる葛藤の日々が
始まるのでありました……。

文化大革命を背景にした親子2代!30年に渡る大河浪漫
なんですが、決して悪くは無い作品なんですが、同じく
文化大革命を扱った歴史的名作『さらば我が愛〜覇王別姫』
とか比べてしまうと(比べるなよなぁ……とも思うが(^^;)
どうしても見劣りがするんです。何故かと言えば、この映画
父親のキャラクターが濃すぎる上に、後半になると父親が
主役なのか?はたまた息子が主役なのか?軸がブレた侭、
進行していくんで、エピソードの一つ一つには感動出来ても
トータルバランスとしては座りが悪い感じが否めないんです
よねぇ。

結構批判している様に見えるかもしれませんが、これって極
めて贅沢な批判の部類でして「親子2代の大河浪漫」で無け
れば此処迄アラ探しはしなかった筈。(笑)

エピソードの一つ一つが本当に良くて、北京を襲ったM7.5
の被災生活とか、被災して時間が経つに従って人々の意識が
「共同体」から不満続出の「集合体」へと変貌していく様は
過去のパニック映画では観たことの無いシーンであり、これ
だけで入場料のモトは取れました。人の家の材木を取っていく
シーン、そしてそれが「告発」に繋がっていくシーンは巧い
なぁ……と舌を捲きました。

そして、現代の描写で取り壊されていく胡同地区の描写が
(・∀・)イイ!! 。映画の中でこれほど泣かせる野良猫の使い方が
あったんだろうか?と思わせる程……猫嫌いの目にも涙の
名場面で御座いました。

猫が天敵の九官鳥とか……テープレコーダーの録音とか……
本当に細部が(・∀・)イイ!! んですよ。それだけに全部を総括
してくれるような感じで〆てくれれば良かったのにと、無い
ものねだりなのでありました。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2006年9月1日 渋谷ル・シネマにて鑑賞)

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