(割)『グムエル 漢江の怪物』

ソウル市内を流れる川、漢江のほとりで売店を営む一家
がいた。家長ヒポン(ピョン・ヒボンさま)の長男カンド
ゥ(ソン・ガンホさま)は、いい大人なのに店番すら頼
りにならないが、娘のヒョンソ(コ・アソン御嬢様)を
愛する気持ちは人一倍強かった。行楽客でにぎわうのど
かな午後、人だかりのする方へ行ったカンドゥンは、橋
にぶら下がり、うごめく「大きな何か」を目撃する。
そして「大きな何か」は、土手に這い上がり、あっと言
う間に人々を襲って喰い始めた。そして逃げる途中、娘
のヒョンソはその怪物にさらわれてしまう。その夜、一
本の電話がカンドゥンにかかってきた。「おとうさん、
助けて…」ヒョンソの件で家族一同が集まり「大きな何
か」からヒョンソを助け出そうと動き出すのでありました。

好き嫌いがかなりハッキリ判れる映画だと思うんですよ。
自分の廻りでは絶賛評が相次いでおりまして、それは判
らないでも無いんですね。但し、自分がこの映画を評価
しているかと言えば、それは全く別問題でして、徹底的
に駄目でした。









以下、罵詈雑言モードに突入致します。


















オープニングでまず意表を突かせる手法は悪く無いと思い
ますけれど、最初のパートで橋の上から漢江に飛び込み自
殺をする男性が、怪物のことを叫んで落下しますよねぇ。
まず……ここで軽い引っ掛りを覚えてしまったのですよ。

で……怪物がいきなり登場。何ですが……この怪物自体に
魅力が無いと申しますか、ゴジラの様に市民権を得られる
かどうかは疑問が残りますねぇ。
でも……それはそんなに大きな問題では無いのです。問題
は、この映画の構成と……監督のポン・ジュノが放つ、捻
くれた「悪意」にあるんです。

実を申しますと『吠える犬は噛まない』は二回観ているん
ですが、『殺人の追憶』は二回DVDを借りているんです
けれども、二回共観ない侭返却してしまい未見です。
ですから、『吠える犬は噛まない』と本作のみでボン・ジュ
ノ監督の事を判断してしまうんですが……この人、途轍も
無く捻くれた悪意を作品の中に反映させる方ですねぇ。
今回の映画では、結末なんですが、果たしてこの結末で良か
ったんでしょうか?何も予定調和的ハッピーエンドで終わる
べしと言い切るんでは無いんですが、「敢えてそうしなか
った」悪意と言うものが感じられるのです。

もう一つ『吠える犬は噛まない』ですが、二回目観て愕然と
したんです。こんなにダークな話だったのかと言う事に気が
付いたのですわ。

今回の「ダーク」な部分は、怪物に接触した家族を含めた
接触者は、ウィルス感染を恐れて病院に隔離と言う展開にな
るんですが、実はウィルスなんてものは最初から無かった!
と言う部分で強烈なる毒を放ちますし、家長ヒポンの死に方
も、ちょっとそれは……と退いてしまったのが事実。
『復讐者に憐れみを』等の復讐3部作を作った、パク・チャ
ヌク監督の毒気の方がストレートなだけにまだ救いがあると
言えばあるんです。ポン・ジュノ監督の場合、その強烈な毒
を砂糖に塗してしまっているんで毒であることに気が付きに
くいんですよねぇ。

さて、今回家族一団となって怪物と戦うと言う設定になって
いくのですけれども、次男のナミル(パク・ヘイルさま)が
追っ手に追われて高架から転落。そしてアーチェリーの名手
である長女ナムジュ(ペ・ドゥナ御嬢様)は怪物に追われて
側溝に転落……そして長男のカンドゥ(ソン・ガンホさま)
は、病院にて検査漬けの毎日……どうも、このパートがバラ
バラで関連性が弱いんですけれど、どうもこれ……「確信犯」
では無いかと踏んでいます。
ポン・ジュノ監督……多少屈折したところは有るかも知れま
せんが、決して下手な監督ではありません。今回冒頭のパー
トでの男の落下と共通して感じるのは、映画におけるキュビ
ズム的手法じゃないか?と思ったのですよ。
一回物語を形成しておいて、部分部分で分割して敢えて関連
性を薄くしてしまう。穿ち過ぎた感想と御指摘を受けるのは
承知の上なんですが、最後の最後の結末の付け方と良い、
「敢えてそうしなかった」=「敢えてそうした」との二つの
ラインが平行して進んでいる気がしたんです。それがこの映画
を観ていてどうしようも無く違和感を感じた理由。

何だか纏まりが付かない侭感想も〆てしまいますが、観終わ
って直後の感想は今書いた通りのことなんですよねぇ。

自称「カルト部屋御挨拶係」大倉 里司
(2006年9月3日 ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて苦行)

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