(虚)『手紙』

工場で働く20歳の武島直貴(山田孝之さま)は、職場の人間
ともまるで打ち解けず、人目を避けるように暮らしていた。
それというのも唯一の家族である兄・剛志(玉山鉄二さま)
が、直貴の学費欲しさに盗みに入った邸宅で老婆を殺してし
まったからだった。兄が罪を犯したのは、自分のせいだ。
そう自責する直貴は、せめてもの償いにと服役中の兄から届
く手紙に丁寧な返事を書き続けていた。そんなある日、更生
した元服役囚(田中要次さま)と出会った直貴は、一度はあ
きらめたお笑い芸人の夢に再び挑戦しようと決意するのだが……。







 

 

以下、罵詈雑言モードと言うよりも冷淡モードが進行します)




 






自分の廻りでは評価が高い本作品ですが、自分はどうも居心
地の悪さを感じて全然評価出来ませんでした。
幾つも不満を感じる要因がありまして、それは自分自身が
「守るべきものを持っていない」ので、犯罪加害者本人では
無くその弟に対して何故避けるのか?が全く理解出来ない
んですよ。

映画の中で風間杜夫が語る「自己防衛本能」って言うなれば
自分を含めて家族やまあ、自分の守るものから危険物を離れ
させておきたいって事なんでしょうが、相手が直接自分に危害
を加えるか?或いは自分自身が本能的に苦手と感じない限り
は、別に差別しようとも遠ざけようとも思わないんですよ。

ましてや、服役している強盗殺人の弟だからと言って何で
その娘までもが遠ざけられてしまうのか?現実はこうなんだよ
と言う描写があるだけで、自分的には全く納得行く説明が
為されていないのに大いなる不満があるんです。

更に、幾度と無く転職をし、婚約者とも別れ、お笑い芸人への
道も断念し、折角勤め電気量販店で、窃盗事件が発生した為
身元調査が行われ、身上調査の末、左遷させられる……。
そこで杉浦直樹さま演じる会長が登場して、直貴と会いにくる
のですが、「人事部の行った処置は妥当だ」としながらも、
何故それが妥当な処置なのか?その説明がまるで為されていない
んです。差別があるのは当たり前と言う肯定的な映画にも受け
取られません。差別があるのだったら、そこから逃げずに一本
一本信頼の糸を結びつけていくしか無いと諄々と説くのであり
ますが……根本的な解決には為っていない気がするんですけど
ねぇ……?

この映画を観ながら終始付き纏った不快感は、根源的な原因を
突き止めない侭、不幸を描き出すためだけの差別を描いている
気がして為りませんでした。

お好きな方には大変に申し訳御座いませんが、これが自分の抱
いた偽りの無い感情です。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2006年11月23日ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて苦行)

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