(恋)『電車男』

電車内で暴れる酔っ払い(大杉漣さま)から若い女性を救った、秋葉原系青年
22歳(山田孝之さま)。彼は、見るからに「オタク」を地でいくタイプ。
助けた女性(中谷美紀御嬢様)からのお礼として届いたのが、何と!エルメス
のティーカップセット!
彼にはその価値も判らなければ、彼女にどうやってお礼をすべきかも判らない。
悩んだ挙句、いつも通りにモテない男達が集う「2ちゃんねる」の某板に助けを
求める。いつしか「電車男」と呼ばれるようになった彼に、何とかしてやりた
いと知恵を絞り、時に叱りながらも温かく見守る2ちゃんねらーたちが集まり
始め、デートコースやら様々なアドバイスが彼に届けられる。それらの真摯
な励ましを受けて、電車男は「エルメス」と名付けられた彼女との距離を一歩
一歩縮めていくのでありましたが……。

究極の回春映画と呼んでしまいましょう!実に(・∀・)イイ!! です。
電車男とは業種も一緒なのですが、彼ほどコンピューターには強くありませんし、
ブラクラを踏んでしまった場合の対処方法も知りません。彼女は現在も過去も居
りませんでしたが、彼氏だったら両手で数える程度には居りました(^^;

同性同士の恋愛の場合、まず肉体関係から入ってしまう事が多くて、お付き合い
するかどうかは肌が合うかどうかを決めてから(爆)と言う自分からすれば、
男女のお付き合いって大変なのねぇ……と半分同情。
ですが……好きになってしまって、ドキドキ……ワクワク……胸キューンは、肌
を合わせた後でもありますし、まあ……最初の頃は初心だったし……と初恋気分
を追体験出来る映画なんですねぇ。

マニュアル通りにデート・コースを決めて……と頭の中でシュミレーションして
みても中々思い通りに事は運ばないもの。そんな痛い思い出も含めて結構身に詰
まされましたです。ハイ……(^^;

それを取り巻く2ちゃんねるの住人達の描写も、実に細やかで、彼に振られた
ばかりの看護士(国仲涼子御嬢様)、ひきこもりの青年(瑛太さま)……倦怠
期を迎えて二人別個にパソコンで同じ板を見ていたサラリーマン(佐々木蔵之介
さま)とその妻(木村多江御嬢様)そして、漫画喫茶(この言い方も古いか?)
に入り浸るオタク3人衆(岡田義徳さま、三宅弘城さま、坂本真さま)それぞれ
の「オン」と「オフ」の描写があるのが嬉しい配慮。
通信の世界って「文字」が全ての所がありますから、中々それをどんな環境で
打っているのか?中々そういった所まで目が向かないんですよねぇ……。

本筋の恋物語に関しては、それこそ沢山の人が書かれるでしょうが、中谷美紀
御嬢様演じたエルメスさまなんですが、彼女もやはり孤独だったのだろうと思い
ますね。
まず、30歳は軽く超えているだろうし(爆)仕事も出来る美人なんだけど……
それが災いして恐らく会社の中では親しく付き合っている同性も異性も居なか
っただろうなぁ……と想像は付きます。
ちょっと……プライベートでは一歩退いてと言うのが、彼女の会社でのスタンス
だったのでは無いかと(持ち物その他から推察するに)
彼女が実家で大型犬を飼っているのが、実に象徴的でして、彼女は「純粋に自分
に関心を寄せてくれるもの」に惹かれてしまうと自分的にはそう考えています。
最初は、からかい半分で異人種でも眺めるような感じで捉えていたのかも知れま
せんが、何回か付き合ってみると、今迄会ったことの無い新鮮さ?とでも申しま
しょうか?別に危害を加える訳でも無いし……他にこれと言った相手も居ないし…
だった筈です。
ところが……最初は「可愛い……或いは面白い」とだけしか思って居なかった
相手が、本当に自分の事を考えていてくれている。そこから「愛」が芽生え始め
たのでは無いかと……

一方の電車男君の方は、そんな彼女の気持ちに気が付く余裕を失っているんです。
でも……自分にとって彼女が喜んでくれることを願ってPCのカタログに付箋を
張り付け、パソコン初心者にでも判りやすいように細かく説明がしてある!
ビニール袋で包装する心の余裕すら無くして、豪雨の中彼女を会社の前で待ち
侘びる姿。愚直とも言える行為(と書きつつ、傘位買えよ…と思っていた(^^;)

そして……電脳の街、秋葉原に広がるアスキーコードの嵐。コンタクトも外れ
眼鏡も落とした状態で、万世橋を二人で歩く姿……これが、正に目からウロコ!
今迄、付け焼刃で教わってきた知識を全て捨てて、己を曝け出し、一緒になった
二人には付属品は必要が無かったと言う象徴だと思っています。

更に素晴らしいのは、この二人の成長を見届けた住人たちが、それぞれに新たな
一歩を踏み出していくシーンの数々。純愛物語も素敵でしたが、自分的にはここ
で涙腺全開。

キタ━━(゚∀゚)━━!!!!! これなのよ!\(^o^)/と言う狂喜乱舞♪

引きこもりの青年は、扉を開け、街に出る……倦怠期を迎えた夫婦の食卓には
御馳走が並んで、上物の葡萄酒の封が開けられる……看護士の彼女も、想いが
吹っ切れて新しい一歩を踏み出そうとしている。オタク3人衆も、電車男が
落とした眼鏡を拾い……何から始めようか?と模索を開始……。

夢物語と言いたければどうぞ……ですが、信じるものは救われる……。
映画館を出て、いつも乗っている電車の車内がすこしだけ違ったものに見えた感
じすら受けました。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2005年6月6日ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて鑑賞)

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