(恨)『ブラックブック』

1944年、ナチス占領下のオランダ。美しいユダヤ人歌手
のラヘル(カリス・ファン・ハウテン御嬢様)は、南部へ逃
亡する途中、ドイツ軍により家族を殺されてしまう。レジス
タンスに救われたラヘルは、エリスと名を変え、髪をブロン
ドに染めレジスタンス運動に参加する。彼女はその美貌を武
器にスパイとしてドイツ人将校ムンツェ(セバスチャン・
コッホさま)に近づいていくが、その優しさに触れ、次第に
ムンツェを愛するようになってしまう。一方、レジスタンス
内では裏切り者の存在が浮かび上がってきたのだが……。

映画の題名になった「ブラック・ブック」とは、レジスタン
ス組織に親密な振りをしながら、裏でナチス親衛隊と結託
していた某人物が持っていたノートの事。この映画では、
一切「奇麗事」は存在しないのです。南部に逃走する手引き
をしていたオランダ人の警察官が裏で親衛隊の中尉と懇意な
仲であり、待ち伏せし、金品を強奪するところから始まって
レジスタンス内部でも裏切り、裏切られ……やがて戦争が
終わるとナチス協力者は女性は髪を切られ、男は殺される。
そんな生々しい現実をサスペンスフルに描き切った力作です。

傑作と言うにはちょっと抵抗があるんですが、今年観た中で
は文句無しに一番好きな映画です!何故かと言えば極限状態
に置かれた人間の醜さ、そして哀れさを娯楽色を交えて描き
この鬼畜度合いが自分の肌にピッタリと合うんです。
そして、オープニングとラストを結ぶ伏線の張り方も実に大河
の風格が漂っていて(・∀・)イイ!!
人間の運命なんて、ほんの些細なことで天国から地獄へ叩き
落とされたり、その反対に地獄から極楽へと変幻自在に移動
する。その極楽浄土も地獄絵図も人間がこの世で作りだした
もの。144分と観る前迄は長いかなぁ……と思っていたの
ですが観てみたらアッと言う間に時間が過ぎていき、ラスト
シーンの意味するところではしばし椅子から立ち上がること
すら出来ませんでした。

この映画を観終わって先ず感じたのが、タイム誌にも載った
パリ開放の日、髪を切られた女性が晒し者になっている余り
にも有名な写真と、戦争終了後連合軍がドイツ人捕虜を使っ
て地雷撤去作業をさせた(この為1500人余りの捕虜が
犠牲になった)と言う余り知られていない事実だったのです。
自分で埋めたものは自分で片付けろと言う論理なのでしょう
が、「勝者が敗者を裁く」と言う構図は何時の世になっても
変わらない現実がそこにはあるのでありました。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2007年4月4日テアトルタイムズスクエアにて鑑賞)

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