(駄)『赤い月』

大日本帝国軍の恩恵を受け、満州国随一の造り酒屋に成長した森田酒造。
森田(香川照之さま)の妻・波子(常盤貴子御嬢様)は、奔放なまでに
自らの意思を貫く女でございました。協和物産の社員を名乗る氷室
(伊勢谷友介さま)に心惹かれ、初恋の相手、関東軍の大杉中佐
(布袋寅泰さま)と再会しては胸躍らせる波子。やがてそんな日々も
終わりを告げる時がきた。1945年8月9日。ソ連軍の満州進攻に
より、夫の留守中に邸宅を爆撃された波子は、実は関東軍の秘密工作員
であった氷室のコネを使って、軍用列車に乗ることに成功するが……

いや……参りました。映画版が薄味なのは観る前から覚悟を決めていた
んですが、完全玉砕状態です。実はこれ、去年(2004年)に
テレビ
東京開局40周年記念ドラマ
として放映されていて、自分はそれを先に
観ていたんですが、余りの出来の良さにビックリして、テレ東に感謝状
を送ろうか?と半ば真面目に考えていた程の傑作だったのですが……

元々上下2巻ある原作を110分に纏めるのですから、キャラクターを
絞り込んで、エピソードも要点だけに絞って……は間違いではありませ
んが、肝心要の役者も全員ダメ!殊に、この物語の第二の主役である
氷室なんですが……これがねぇ……トホホ
テレビ版での中村獅童さま演じた氷室と比べるのも愚かしい……(涙)

余りにアホらしくて書くに耐えない出来ですが、一つだけ書くならば、
TV版でのサブ・キャラクターの魅力(役者が全員”光る演技”をして
おりました)そして、軍用列車に乗ったけれども同胞を見殺しにせざる
を得なかった非情の決断……そしてソ連赤軍による婦女暴行、中国人に
よる人身売買等の「極限状態」に追い込まれた人間の浅ましさ、醜さ……
そして哀しさを全てカットして、おまけに「大河浪漫」としての長女
美咲の回想による語り……それらの”キモ”の部分を全てそぎ落とした
観るべきところ無き大駄作と断じざるを得ません。

これから『赤い月』を観ようと思っている方!お願いですから
テレビ版
がDVD
で出ていますんで、そちらを是非お願いします。

テレビ版が映画版よりも、遥かに優れていたと言う稀有な一本でありま
した。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2004年4月13日)DVDにて苦行悶絶

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