(輪)『あの頃、ペニー・レインと』
時は1973年、若干15歳のウィリアム(パトリック・フュジットくん)
は伝説的なロック・ライターで現在は『クリーム』誌編集長のレスター・
バングス(フィリップ・シーモア・ホフマンさま)に送った学校新聞の記事
が気に入られ、仕事をもらうようになる。ところが、イザ取材に行くと見た
目が若いのでガタイの良いガードマンに門前払い。そこで出会ったのが、
「グルーピー」とは一線を画する「バンド・エイド」の首領格のペニー・
レイン(ケイト・ハドソン御嬢様)に気に入られ無事パスを貰えることに。
やがて、ウィリアムに、「ローリング・ストーン」誌から“スティルウォー
ター”という新進バンドのツアーの取材の仕事が舞い込む。ウィリアムは、
ギターのラッセル(ビリー・クラダップさま)と親しくなるが、親しくな
っても一線は画しておかなければ為らないところ。思うように取材が進まず
ウィリアムの母親(フランシス・マクドーマンドさま)からは、家に電話
が少ないと矢の催促、「ローリング・ストーン」誌の編集部からも原稿の
催促が相次いでいた………
”スティル・ウォーター”内でも、内紛は絶えず、マネージャーのすげ替え
がレコード会社から指図されたり、メンバー間でもルックスが良いラッセル
に他メンバーから嫉妬の嵐………NY凱旋公演の際に起きた「とある出来事」
によって、それぞれの不信と亀裂は深まるばかりでありました………
公開されてからビデオが出る迄に一年近く掛かった本作ですが、念願叶って
観ることが出来ました。作品の感想に入る前に、ちょっと脱線させて頂くと
この映画の感想を、実は100回以上読んでおりまして、全部中身は知って
いたんです。(^^;;
夫馬 信一さまの「
DAY FOR NIGHT
」
2周年記念感想文
が、本作なんです。
「映画よりも感想文のほうが感動した」と言う絶賛も相次いだほどの夫馬
映画評の白眉とも言える内容でした。これをアップするのは、「DAY FOR
NIGHT」3周年記念企画「プロジェクトF」と同日になるのは、何やら感慨
深いものを感じます。自分も思うことをつらつらと書いて送ったのですが、
アップ前なんで、どのアドレスにリンクを張って良いのか判らない有様。
ここでした<4月15日以降の表示(^^;;
で………これを観ると、
何故夫馬さまが「この映画」に託して語った
のかが
凄く良く判るし、「モノ書き」永遠のテーマを扱った映画なんですねぇ。
ここからは映画本編の感想になりますが、この映画は絵画における「遠近法」
を駆使した映画とでも申しましょうか………実に良く出来た映画の御手本
と言っても過言ではありますまい。
何故「遠近法」か?と言えば、”スティル・ウォーター”の公式Tシャツが
出来たとき、メンバーの一人が、「ラッセルばかりクッキリ写っていて、俺
たちはピンぼけかよ………(--;)」との台詞に象徴されているんですよん。
この映画は、それぞれの「輪」から出来ております。まずは、”スティル・
ウォーター”のバンドの「輪」。この代表がラッセル。「バンド・エイド」
と言う「親衛隊」の「輪」を代表するのがペニー・レイン。そして『ローリ
ング・ストーンズ』とか『クリーム』というメディアの「輪」を代表するの
がバンクス。家族と言う「輪」を彩るのが「母親」………
ウィリアムは、曲芸師の如くその「輪」くぐりをして、結果的にそれぞれの
「和」を導き出す”因数”なんです。<『ビューティフル・マインド』風に♪
下手をすれば、「輪」が壊れて”ピンぼけ”に陥りそうな危険を秘めており
ますが、所々の要には、ピシリ、ピシリと押えを置いて構図を保っている様
は正に名人芸!
それを置いておいても………ある時代に何か一つのところにたむろして、一見
すると無駄な時間を過ごしているかのような「空気」が良く出ているんです。
バスでの長旅、モーテルでの秘め事………皆様が仕事や学業に励んでいる時間
に朝酒を呑みスイート・ルームの床で雑魚寝したあの日の思い出。そうした
過ぎ去った甘い感傷が次々と観ながら脳裏を横切っていくんですね………
感傷ばかりでなく、それぞれが一つ一つ踏ん切りを付けて、階段を上っていく。
甘くて………ちょっとほろ苦さが心地良い珠玉の作品です。
初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2002年4月12日 ビデオにて鑑賞)
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