(舞)『アルナーチャラム・踊るスーパースター』

『ムトゥ〜踊るマハラジャ』で、日本でも一躍「SUPER−STAR」の名
が定着した観のあるラジニカーント様の最新作。

去年度の「東京ファンタスティック映画祭98」でもクロージングを飾り、
「クロージングに相応しい作品」と評価を得ておりますが、これは間違ってい
ない評価だと思います。

何しろ「予定調和」は印度大娯楽活劇の御家芸ですが、『ムトゥ〜踊るマハラ
ジャ』には及ばないものの、キチンと大円団を迎えるところは、王者の風格十
分。

しかも、今回も「腰」に特徴があるラジニカーントの「舞ひ」だけで無く、
30日の間に3億ルピーを使い切るという夢の様な計画の中に織り込んだ「映
画」&「政治」ネタが生臭くて良い。(^^)

村一番の名家アンマイヤッパン家の長男アルナーチャラム様は、村では泣く子
も黙る顔役(?)妹の結婚式でやってきた遠縁の美女ヴェーダヴァッリと出会
い、結婚迄あと一歩と云うところで、当主である祖母の頑強な反対に会い、その夢
も破れる。それだけでは無く、彼の知られざる出生の秘密をも暴露され、失意
のうちに街に出る………。

ひょんなことから、大財閥の令嬢と知り合う切っ掛けを掴んだアルナーチャラ
ムを待っていたものは、自分が実は大富豪の隠し子だったと言う衝撃の事実だっ
た………。

大財閥の令嬢と………云々は、シャー・ルーク・カーン様主演だと、『ラジュー
出世する』の様に腕と才気でのし上がっていく、ビジネス大河浪漫的な展開に
なって行くのですが、「水戸黄門」的倫理観の持ち主を演じるが多いラジニカ
ーント様の場合は、「巨悪を斬る」展開になってゆくのが言わば定石。

その「巨悪を斬る」為の手段が、何と「浪費」であるところが面白い。
巨額の金を浪費するのは………「選挙」と「映画」は万国共通の様でして、
「映画スター」としてアミターブ・バッチャン様の名前を出す所がやはり、意
識しているんでしょうか?(笑)

この映画がヒットするかどうか………観客の反応を観て、実際に出馬するかど
うするか、密かに決めている気もするんですが………(^^ゞ

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(9月8日テアトル新宿にて鑑賞)

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