[枠]『アメリカン・ビューティ』

舞台は米国郊外の新興住宅地。レスター・バーナム(ケビン・スペイシー様)は、
広告代理店に勤める一介の普通の男性。その妻であるキャロリン(アネット・ベ
ニング様)は、取り柄のない夫にうんざりしながら、自分の理想とするポジティ
ヴライフを志している。ハイスクールに通う娘ジェーン(ソーラ・バーチ御嬢様
=真の美女)は、ろくに口もきかない。ところが、レスターがジェーンの友達で
あるアンジェラ(ミーナ・スバーリ御嬢様=俗に言うアメリカン・ビューティで
しょうなぁ)に惹かれてしまい……隣人の息子で、サイコ=ボーイとの異名を取
るリッキー・フィッツ(ウェス・ベントレー様=これが、まあハンサム君なんで
すわ)がジェーンに惚れたことから「ある悲劇」の幕が落とされようとしていた……

非常に確信犯的な「意地悪さ」を出している映画です……と、同時に良くこの企画
にGOサインを出したなぁ……と思ったのですが、発端は、スピルパーグが目を付
けたと言うことに「中々やるなぁ」とマザコン中年の意地を見た感じがします。(笑)

この映画……映画と言うよりも「演劇的」要素が非常に強いのは、千花書記長と
同じなんですが、それを個人的見地から述べていきますね(あひ)>千花

前半と後半で、喜劇から悲劇に為るとの指摘は良く受けますが、これは大筋の「枠」
は全然変わっていないんですね。ただ、主人公であるレスターの心情が変わって、
彼の「主観」から語られはじめると悲劇的な要因に見えるわけで……前半の「喜劇」
も別の「枠」からみれば悲劇なんですよ。

この「枠」がひとつの鍵を握っていて、大概の人は他人を観察するときに、意識的に
であれ、無意識的にであれ(実はこれが怖い)「枠」の中で評価していると思ってい
ます。で……この映画の中では、全員がそれぞれの「枠」を必要以上に誇示している
んですよ。(笑)レスターは、アンジェラの言葉を聞いて、急にウェイト・トレーニ
ングをはじめるし(肉体美への象徴)、キャロリンは社会的な名声を求めて、自分が
此処で埋もれていてはいけないわ……と自己啓発に励む女性。娘ジェーンも父親&母
親から友人扱いされるのが鬱陶しくて為らない「父、母」と言う理想像と言う「枠」
があるから反撥するんですね。その友達のアンジェラも自分の「美」に対して実は極
度の劣等感を持っていて、その裏返しに「男と*人寝た」と言う「枠」を誇示したが
る。一番「枠」に拘っていなさそうなのが、サイコ=ボーイことハンサムなリッキー君
なんですが実は、彼もビデオカメラのフレーム=「枠」の中でしか「美」を感じない。
そして、社会と言う「枠」に囚われた真の悲劇の主人公が、リッキーの父である海兵
隊大佐のフィッツ(クリス・クーパー様)なんですよね……。

「枠」は、四十にして惑わずの「惑」であり……(日本語乱用)これは、レスター
がアンジェラに「誘惑」されてしまうからなんですが、そして彼は、「ワクワク」
……ドキドキとしてしまう。(笑)そして……若返りへの意欲が「湧く」のは、
キャロリンとレスターの二人とも変わらず……(殆ど駄洒落編ですが……妙に一致する
のが可笑しい)

個人的に気に入っているキャラは、海兵隊大佐のフィッツ様なんですが……これは、
観てのお楽しみと言うところで……(^^)/~

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年5月1日 ワーナー・マイカル市川妙典スクリーン8にて鑑賞

千花書記長の居城ーTout Va Bien!-万事快調-の中の『アメリカン・ビューティ』への論考

参考『ペイ・フォワード〜可能の王国』の感想

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