(償)『アメリカン・ヒストリーX』

恐らくこの映画、観た人の間では絶賛評が相次ぐであろうし、中々に良く出来
た映画なのは間違い無いのですが、生来の天の邪鬼としては軽〜く一石を投じ
たいんですね。

兄デレク(エドワード・ノートン様)の影響で、ネオナチ系列のギャング団に
所属している弟ダニー(エドワード・ファーロング様)は、学校のレポートに
ヒトラーのことを賛美する文章を寄せ、アフリカ系アメリカ人の校長から次の
日にまで「兄弟」についてのレポートを書くようにと命じられる。それは、折
りしも兄デレクが刑務所から出所する日の出来事だった……ダニーは、ギャン
グ団の指導者的存在であったデレクを尊敬していたが、出所した兄の態度が違
う………昔からの仲間を遠ざけ、支援者であったキャメロンとも縁を切った有
様。ダニーはデレクに問い詰める……一体何があったのか?そして、兄から語
られる体験とは……

この映画の成功は、何と言ってもキャスティングにあります。もし、このデレク
と言うキャラクターをショーン・ペン様が演じていたら、上手く演じたことでし
ょうが、アカデミー主演男優賞にノミネートされると言うことは無かった筈です。

エドワード・ノートン様が、ホントに頑張って筋肉を付けたというのが判るんで
すよ。最初はもっと脂肪分を含めてバルクアップを図り、次いでは蛋白質とミネ
ラルで絞り込みをした肉体のような感じです。(最初からこの筋肉の付け方だっ
たら凄いけど……負荷が掛かり過ぎる気がします)

脇も凄くて、母親がビヴァリー・ダンジェロ様、消防士の父に……お懐かしや
『冬の嵐』、『ワン・カップ・オブ・コーヒー』のウィリアム・ラス様(感涙)
デレクの恋人のステイシーには、『ザ・クラフト』のフェルザ・バルク御嬢様。
エリオット・グールド様が母親の再婚候補者として現れたりと渋いキャストで
す。\(^0^)/

ホント……ノートン様の演技は特筆モノですが、若干やり過ぎた感もする個所が
あるんですね。と………言うのは、刑務所でのシーンがあるのですが、洗濯係の
ラモント(ガイ・トーリー様)と仲良くなってしまった為に白人グループから裏
切り者扱いをされ、シャワー室でレイプされるのですけれども……あの姿勢で一
発で入るかどうか?(^^ゞは映画だから置いておいても、入院して食堂に入ると
きの歩き方が、まさにその通りの歩き方ですが……これは初日で大概の痛みは消
えるものなんです。これはやり過ぎの気がしますけれども、この格好を知ってい
るってことは、ディルド(張り型)を使って入れてみたんでしょうねぇ(^^;;

それと、刑務所内部での抗争に関して言えば、『ブラッド・イン・ブラッド・
アウト』や『アメリカン・ミー』という、メキシコ系アメリカ人(チカーノ)
を取り扱った映画の方がずっと凄いです。

この映画は、それらの要因を実に手際良く纏めたと言う意味では評価出来ますけ
れども、取りたてて大傑作だとは思えないのが正直な感想です。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年2月20日恵比寿ガーデンシネマ1にて鑑賞)

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