(法)『アミスタッド』

遅まきですが、『アミスタッド』を鑑賞致しました。自分にとっては、中々良く
出来た映画だと言う感じが致しましたし、冒頭から惹き付ける力は流石だと
感じております。


☆★☆★☆★☆★☆以下映画の内容に触れております☆★☆★☆★☆★




「冒頭シーン」の上手さは卓越しておりますよねぇ。暗闇の中で眼に滴る汗
緊張感が実に良く出ておりましたし、釘を抜く指が本当に「痛そう」なのです。
いゃぁ、実に観客の「生理」を熟知していると感心しました。

が………。本当はこの映画、真面目に観なくては為らないのかも知れない
のですが、ちょっと違う観点から観てしまったんですよ。

ジャイモン・ハンスゥ様の御体が美しいのですわ………。今迄色々と男優の
裸は観てきたけれども、素直に美しいと感じたケースは非常に希。
ラストに示される海上のシルエット等は、ローマ時代のブロンズ像を思わせる
神々しさ………。(*^^*)ポッ

この映画の面白さなのですが、珍しくマシュー・マコノヒーが良い。
彼が演じた弁護士、ボールドウィンの生臭さがこの映画に「生気」を与えて
おります。

最初は「刑事事件」として処理しようと考えていた裁判ですが、ボールドウィンの
提案によって「民事事件」として処理することを考えるのですが、これが面白い。

僕もこの事件は寡聞にして初めて知ったのですが、観る前迄は「刑事事件」
→「人権問題」にリンクさせて行くのかなぁと想像していたのに、「所有権」の
問題を絡めていくことによって、言わば相手の論法で勝負をする潔さを感じま
した。

「奴隷」とは、当時の法律では「物件」としていて処理していた以上、「世論」に
訴えると言う方法よりも、「民事事件」として処理した方が「名利」は、外されま
すが「実利」は取れると考えた現実主義的思考法に感心しました。

こうして前半にマシュー・マコノヒーに華を持たせておいて、後半にホプキンス
演じたアダムズの演説によって「名利」を立てる遣り方は上手いし、恐らく誰もが
納得できる手法でしょう。

しかし、良くこれだけの複雑な素材を、上手く「映画」として纏めたなぁと感心し
ます。

最後に一つだけ………。

個人的に一番好きなシーンなのですが、温室の中でシンケとアダムズが、
スミレを鑑賞しているところですねぇ………。
「失ってしまったものへの痛み」が実に控えめにですが描かれておりました。

「大河ロマンを愛する会」 大倉 里司(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

BGM:Deep Forest『Sweet Lullbay』(Apollo Mix)

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