(闇)『ゴールデン・ボーイ』

新鋭ブライアン・シンガー監督(ぼくと同じくゲイですが)彼が描くところの
「闇」の部分……ぼくとはちょっと違うのですが、まあ、解らないでも無い
世界。そして、「男」を描くと色っぽい感じがしております。

一人の少年が……ナチ戦犯を見つけ出し……彼と付き合っている内に己の「悪」
に目覚めてゆく話し……それが『ゴールデン・ボーイ』なのです。正直言えば、
傑作とは言えず、平均的な作り……。

何故かと言えば、イアン・マッケラン演じるアーサー・デンカーに「品」が感
じられないからなのです。どうも、ぼくはこの方と相性が悪いらしく、どこと
なく「下卑た」感じがするのですね……。何と言うのかなぁ……饐えた嫌らし
さを感じるのです。元、ナチ戦犯には売ってつけの人材かも知れないですが……
アーミン・ミューラー・スタール様とか、マックス・フォン・シドー様の様な
「品」が無いと中途半端な安っぽい「悪」になってしまうのです。

僕的に見ても……年寄りだけど「色」があるよなぁ……寝ても良いかなぁと思
わせておいて、いきなりSMプレイを始めるようなギャップが無いと、この映画
の持つ真の怖さが伝わって来ないのです。

その意味で一番良かったのが、『シン・レッド・ライン』で我らがスタロス大尉
を演じたエリアス・コーティアス様が演じていた浮浪者を、デンカーが家に招き
入れるシーン。これは秀逸です。(*^_^*)(ポッ)

デンカーが言うのですよ……「君の頬を触っても良いかい?」と。
髭面の顔を触られて……「(自分に)リラックスしろ……もし、朝起きて良か
ったら10ドル欲しいな」とねだる浮浪者……。ぼくだったら……50ドル出
しますね(^^)なのですが……その言葉と裏腹に……と、このシーンが素晴ら
しい。

でもねぇ……「闇」の描写は上手いのですよ……ただ、ぼくが求める「闇」は
『スノー・ホワイト』のマイケル・コーン監督の「闇」とは同一化できても、
この「闇」とはちょっと違う……違っていても良いのですが……突き抜けて居
ないなぁ……と言う感じ。

「ぼくは、「悪」が勝つ話しが好きなんだ……」と、ブライアン・シンガー監督
は語っておりますが、ぼくから見ればまだまだ甘い……。

真の「地獄」を知った時に、初めて、貴方は大きく化けることでしょう……
(につこり)
テクニックだけでは飽きられるよ、本当に惚れてこそ「蓮」の花が咲くのです
よ……シンガー君(毒)

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)
(7月1日 新宿東急にて鑑賞)

BGM:ボーイ・ジョージ・フューチャリングDJ『クローゼット・クラッシック』

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