(嘘)『隣人は静かに笑う』

何事も無さそうな、静かな郊外……ワシントン大学にてテロリズム
の歴史を教えているファラデー教授、妻はFBIエージェントだったが、
職務中に殉職……。彼は、一人遺された息子のグラントと暮らして
いたが、隣人との交友がはじまったことにより、ある「事件」へと巻き
込まれてゆく……。と言う話し。

「蟻の穴から堤崩れる」と言う諺が日本にありますが、この映画は
正にその典型。全体の骨格は素晴らしいと思うし、邪悪そうな隣人
を演じたティム・ロビンス様の演技が光ります。そして、オープニング
から漂う強烈な「悪意」は素晴らしいと思うんですが……(--;)

ハッキリ言って仕舞えば、素晴らしい素材を用意し、食器も揃え、
盛り付けも上手い料理人を抱えながらも、その料理人が、スパイス
を忘れてしまった為に、見栄えが良くてもとても食べられた料理では
ないと言うのが一番近い表現か……。

脚本そのものを読んだ訳では無いので、断定は避けますが、脚本
そのものとしてはかなり良く出来ている部類だと思いますし、これが
処女作だと言うアーレン・クルーガー様の将来性は有ると思います。

ただ、脚本は脚本でしか無い訳で、監督を初めとした製作陣と役者
がそれを肉付けして行かなければ為らないのに、役者は悪く無いが
故に監督の脇の甘さと、この監督を起用した製作者の読みの甘さ
が返す返すも残念です。

「ミステリー=スリラー映画」の範疇に入るので極力、内容には触れ
ませんが、ただ一つだけ申し上げたい疑問があって……それは、

「何故、隣人のことをそこまで疑うんだ?」

ってことです。此処に至るまでの説明が希薄な為に、全てに於いて
「何故???」が最後まで付き纏い、僕にはまるで乗れない作品と
なりました。

あと、もう一つ、「スリラー」としては、致命的な欠点があるのですが、
それは本当に核心に触れてしまう為、此処には書けないのが残念
です。

本当にラストが素晴らしすぎるのに、この侭では浮かばれません。

『セブン』の、デビッド・フィンチャーと並んで無能監督の殿堂入り、
誠におめでとう御座います(につこり)(毒)>マーク・ペリントン様

大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)
(4月19日 丸の内ピカデリー2にて鑑賞)

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