(童)『ブルート』

ドイツ映画は、去年、『ラン・ローラ・ラン』、『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』、
『カスケーダー』の3本で自分の中では急上昇を示しているジャンルですが、
この『ブルート』は、『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』の後につくられた英語に
よるドイツ映画。

ブルート(乱暴者と言う意味)(ティル・シュヴァイガー様(*^^*)ポッ)は、ロンドン
の刑務所から釈放の条件として、社会奉仕活動として辺境の孤児院で雑用係
として働き子供たちの世話をすることになった。孤児院を経営するのは陰気な
シンカイ(ピート・ポルスウェイト様)とアル中でヴァイオリンを愛する医者バビット
(ジョン・ハート様)ここでは、運営上の経費維持の為、孤児売買をおこなっていた。
が……他にももう一つの顔があり、それは孤児院を隠れ蓑にした武器売買の
中継点でもあった。

「夢珠るうむ」の夢珠様が裏『サイダー・ハウス・ルール』とおっしゃられた様に、
ホント裏(笑)。東欧諸国の混乱(特に旧ユーゴ諸国)では、金髪の子供が売買
されると言う事情もあり、ある意味では仕方無い気もするんですが……それだけ
では無く、武器売買をしていたと言うのが出色ですね。ですから、幾ら子供が高く
売れても薬は不足しているし、ここを牛耳るシンカイの懐にはお金が入り、医師の
バビットは益々アルコールへの依存を深めていく……

出来栄えとしては、『サイダー・ハウス・ルール』に比べるべきでも無いのですが、
どちらが好きか?と聞かれれば。ぼくは此方のほうが断然好きなんです。

ティル・シュヴァイガー様が、ちょっと御痩せになった気もしますが、依然として
セクシーですし、この人の一番似合うキャラクターを演じておられるからなんです。
乱暴者でありながら、どこかしら良心を捨て切れない……ワルには為り切れなか
った男。ここで甲斐甲斐しく世話をしている間にジブシーの少女から見初められ、
余命いくばくも無い少女の為に尽くしていくんですが、このプロセスが良いし……
こんな男に尽くされるならば、病気になっても良いかも?(^^ゞと不遜にも思って
しまいます。いやぁ〜この少女なんですが、『レオン』のマチルダと同じ位「女」して
いますよ。

で……彼女の為に、仇敵シンカイと組んで「ある事件」を引き起こすのですが、
それが良かれと思っていたら裏目に出てしまう残酷さ……で、どうしたの?と言う
終わり方をしてしまうんで、未公開なんですが……どこかしら救いが残されている
のが好きな所以でもあります。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年8月13日 ビデオにて鑑賞)

BGM:ブルガリアン・ヴォイス『Tri Shopski Pesni』(貴方は美しい)

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