(死)『バトル・ロワイヤル』

時は……恐らく未来。とある国が崩壊し、経済も破綻。完全失業率が15パー
セントを越え、国内は急性アノミー(社会学上の無秩序状態…日本で言えば終
戦直後がこの状態)になり、青少年犯罪が多発していた……そこで、国会は全
国の中学3年生から無作為に一学級を選び、最後の一人に為る迄殺し合いをさ
せるという「BR法」が可決……運営されていた。生徒達は、バスで無人島に
連れていかれ、自爆装置の付いた首輪と武器を渡される……

原作から曰く付きの本作品。角川ホラー大賞の最終選考まで残されながらも、
「極めて不愉快……」等という理由で封印されていたのを、『ひめゆり忠臣蔵』
や『完全自殺マニュアル』で次から次に問題作を世に放った大田出版が遂に刊
行!『仁義なき闘い』……『忠臣蔵外伝・四谷怪談』等のこれまた問題作を放
ち、タランティーノが「キン・フカサク」と敬愛する深作欣二監督が問う20
世紀最後の問題作♪

紹介文からノリノリです……好きですよん。個人的希望を言えば、「R15指
定」を付けた一騒動で、東映が莫大な宣伝費をチャラにしてしまった位宣伝効
果があがりましたが……もっと、ヒッソリと観たかったもの。喧喧諤諤と論議
しても、当の中学生が観れないのならば仕方無い。『SPR』も『TRL』も
「R15」を付けるべきですよ……禁じられているものを観るほうが刺激が強
いですからねぇ……(毒)

何と言っても感心したのが、43人の生徒をほぼ全滅させてしまったこと。良
く2時間で収めたなぁ……と感心することしきり。そして……名前が出るのが
良いですね。これは便利♪と………同時に「たった43人」なんですよ。数字
にしてみれば………でも、観客のお腹は満腹ですねー。(多分)

一人一人の「死」が重いです。真面目に考えると………特に痛かったのは、
武器を渡されて一人一人が教室を出ていくところ。深作監督にとっては戦中の
学童疎開などをイメージしただろうし、自分にとっては、70年代の近未来
SF漫画の金字塔的傑作、楳図かずおの『漂流教室』を思い出してしまったの
ですよ。(涙)

一番興味深かったのは、灯台での場面ですねー。それまでは何とも無かったの
だけれども、一人の「部外者」が入ったことにより、疎外されていた状況と不
確定な情報(即ちデマ)で血塗れの惨劇となり、最後に残った当事者が灯台か
ら身を投げて自殺してしまうこと………。

そして………異彩を放つ、女子11番の相馬光子(柴咲コウ御嬢様)の圧倒的
存在感。(*^^*)ポッ「女」ですよねー。男子生徒を裸にして陰部を切り取る殺害
方法が素敵………とニヤリと笑って、喉元にアイスピックを刺しますが(笑)
「よく頑張ったわね………ホホホ」<基本的に女嫌い

それに増して、転校生の男子5番川田章吾(山本太郎様)の色っぽさ(*^^*)ポッ
これは惚れますねぇー。ハリウッドで映画化するんだったら、ベン・アフレック
様が演じそうな役柄です。

最後に苦言を少々……途中で挿入される文字はクサイぞ!(爆)
そして、冒頭で教師が庇って死ぬ設定で「これは………駄目な大人です」と教師
のキタノ(ビートたけし様)が語る場面があるんですが、死体を見せるだけでは
不十分。これはビデオを含めて拷問シーンを挿入すべきだったでしょう。そうす
れば、より「狂気」が鮮明に出てきた筈なんです。

そして………ビデオといえば、あのビデオは一体何なの???これは媚び過ぎ
の感じがするんですよ。ゲーム感覚は良いんですが………NHKアナウンサーの
様に無機質に語らせたほうが効果的だった気が致します。

色々と不満もあるのですが………パワーがある映画です。親子揃って観に行く
家庭でしたら………最初から問題なんて起きないですよねぇ(--;)

自称「カルト部屋御挨拶係」大倉 里司

BGM:Massive Attack『Spying Glass』

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