(数)『マルコヴィチの穴』

売れない人形遣いのクレイグ・シュワルツ(ジョン・キューザック様)は、才
能があるのにそれを発揮する場所が無く、ペットショップに勤める妻ロッテ
(キャメロン・ディアス御嬢様)に養って貰っている身。

ロッテの忠告もあって、定職探しをはじめたクレイグは、新聞の求人欄に「手
先の器用な人求む」という広告を見つける。マンハッタンのマーティン・フレ
マー・オフィスビルの7と1/2階にある小さな会社、レスター社の文書整理係の
仕事を得る。レスター社の受付は、言語障害学博士号を持っているが、ちっと
も話しの通じないフローリス(メアリーケイ・プレイス様)、そして社長が、
ドクター・レスター(オースン・ビーン様)を初めとして変な人ばかりの会社
であった。入社が決まったあと、マーティン・フレイマー・ビルの7と1/2階
の説明会で美しいマキシン(キャサリン・キーナー御嬢様)に出会ったクレイ
グは、彼女に一目惚れしてしまう……

ある日、書類の整理をしていたら……キャビネットの裏に……小さなドアが……
実は、15分だけ俳優のジョン・マルコビッチの意識に入れる穴だった……。



(いきなりラストシーンからの言及です……未見の方は絶対に読まないで下さい)

 

 



(ホントに読むの?)

 

 

 




観た直後は、何じゃこりゃ?の渦巻き状態………ビジュアル的にも凄く上手い
し閉塞感がある7と1/2階の描写……そして、オープニングの人形劇……観ると
ころは多いけど………の映画だったのです。

『ミステリー・アラスカ』の評をサラサラと書いたのですが……紅茶の飲み過
ぎで、カフェイン多量摂取………眠れるものではありません。寝たのが3時過
ぎ……で……チュンチュンと言う雀の声で起されたのが午前7時……(^^ゞ

朝カーテンを開けて、ふと閃いた(゚o゚)(゚o゚)(゚o゚)(゚o゚)(゚o゚)

「最後のシーンで何故女の子が出てくるんだろうか?」と……「輪廻」と言う
言葉が浮かんだのですが……一応ちゃんと種付けして出来た子供なんで「遺伝」
の方ですよね(^^;;

でも……何故母親二人なの?そりゃぁ……男は子供が産めません。
これからなんです……あの「穴」と通路は「産道」では無いかと思ったのです
ね……。そもそも異常な形で妊娠したのですが………そうすると、次に思った
のが『創世記』第2章の22項「こうして神である主は、人から取ったあばら
骨を、ひとりの女に造りあげ……」の部分。これに対する反逆では無いのか?
と思った次第なんですよ。
それからすると……クレイグは人形遣いですよねぇ……NYの街頭で『アベラール
とエロイーズ』の人形劇を見せて……それが、エロティックな内容(笑)……
彼が勤めるレスター社の社長は、スケベ話ばかりをする……

また……この階は7と1/2ですよねぇ……7階でもなければ、8階でも無い……。
この階の説明ビデオの中に……アイルランドの船長が……矮人である妻の頼み
を聞き入れて「世界で只一つの楽園」を作り、それが、この階であった………と。
それを見ていたのは、クレイグだけでは無く………マキシンもだったのですよ。
彼女はこう呟くのです「嘘に決まっているじゃないの」と………。
でも………この胡散臭い伝説は、観れば誰だって「嘘」と判るのですし、映画自
体も虚構の世界。わざわざ否定の言葉を投げかけたのは何故か……と言うことに
引っかかったのですね。

まず一次的には……後半になって、それが『マルコヴィッチの穴』と言う映画の
中の事実だったことへの序曲であり、言わば引っかけ。

さらに……二次的には、寓話ですよ……御伽話なんですから……観ている貴方も
胡散臭いと思っているんでしょう?ね?と言う創り手の悪意……。ここに興味を
覚えたのですよ……「神は、第七日目に、なさっていたわざの完成を告げられた」
『創世記』第1章2項より……つまり、ユダヤ=キリスト教の世界では「7」は
神の数……。
7日間で世界を作って……そこには入りきれなかった「異形の者」の世界を現出
させた?と考えられなくは無いでしょうか?それからすると……ロッテが何故ペ
ットショップに勤めているかも……ノアの箱船のイメージで捉えられますし(^^ゞ、
クレイグが最後に出てきた時、木片を持っていた(最初に入るときは持っていた
が途中で無くなる)そして……全てを失うということ……「エデンの園」からの
追放では???(笑)

強引な理屈なんですが………どうも、ユダヤの古代思想に当て嵌めると妙に符合
する箇所が多いんです。創世紀第一章に出てきて……映画では最後の最後に登場
するのが「水」なんですよ。光と闇、天と植物(すなわち落下地点が土手なのに
着目)鳥と動物………あと無かったのが「魚」なんですがm(__)m<仮説の誤りか(涙)
これは最後の少女の動きに着目………では強引ですよねぇ………。(^^ゞ

ただ……異常な迄に「7」には拘っているんです。マキシンと待ち合わせをする
時間帯が午後7時………まあ、勤務が終ればその位の時間になりますよね。でも、
待ち合わせの場所に指定した場所に何故か日本人がウヨウヨ(笑)
これは………サミット先進7ヶ国の中で、唯一有色人種の国であり……更に重要
なことは、唯一基督教文化に染まっていない国……言わば「異端」の象徴として
描いたのでは無いのか?と勘ぐりたくなります。

そして……15分間と言う時間……これは最初は謎だったのですが、7と1/2を
加算すると15なんですよ……(笑)

異端の感想なんで……良い子の皆様は鵜呑みにしてはいけませんよ(^^)/~

自称「カルト部屋御挨拶係」大倉 里司
(2000年9月29日 渋谷東急にて鑑賞)

 

補追……この映画に関して一番鋭い評が読めるのは此方です

後期印象派の女王かのこ御嬢様cubby hole『マルコヴィッチの穴』

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