(落)『リトル・ダンサー』

1984年のイングランド北東部ダラム州の炭坑町に住む11歳の少年ビリー
(ジェイミー・べルくん)は、去年の母を亡くし男前の父親(ゲアリー・ルイ
スさま(*^_^*)(ポッ))と兄のトニー(ジェイミー・ドラヴェンさま(*^_^*)
(ポッ))とボケがはじまった祖母(ジーン・ヘイウッド様)と共に暮らしてお
りましたが、時はサッチャー政権の構造改革中……産業構造切り替えの為採算
が取れなくなりつつあった父と兄の務める鉱山では賃金切り下げ(?)の為、
大ストライキを行なっておりました……

ある日、ボクシング・ジムの一角を借りて、階下にあるバレエ・スクールの講
習が行なわれており、少年ビリーの心は高まり……でも、保守的な父親は当然
のことながら大反対(涙)唯一、理解してくれたのはビリーのダンス教師ウィル
キンソン先生(ジュリー・ウォルターズ様)だけでしたが……ビリーの熱意は
周囲の人々を変えていく……

「映画がはじまって……監督の名前がクレジットされるまでの間で映画の出来
栄えが判る」というのが持論ですが、最初のシーンが素晴らしいんです。これ
は!と思い観ていたら……益々イケルわぁ\(^0^)/だったのですが……中盤
から終盤に掛けては、スクリーンに向かって生卵をぶつけたくなるような酷さ
と……高まる偽善性。因って罵倒します。


ホントにこれって、前半と後半作った人が同じなの?????????


前半は素晴らしいシーンの連続なんですよ。まず驚いたのが冒頭のシーンです
ね。寝室から台所に入って食事を作り祖母のベットに行くまでの場面で、実に
ふんだんに情報が盛り込まれているんです。台所に洗いものがあったり……
「母」の匂いがしない……台詞では無く「画」で見せることに成功しています。

そして、ロケ地の勝利でしょう……スキップを踏みながらビリーくんが背景
が海の坂を上ってくるところは凄い!と思いましたし、母が眠っている墓地
からのシーンの「画」も凄い。良く選びました。
そして構図として面白いなぁ……と感心したのは、螺旋階段を俯瞰から撮って
いるのですが、通常は天井から映して下に降りていく構図ではないですかぁ……
この映画では何と!上ってくるところを俯瞰で撮っているんです。こんなのは
初めて観ました。

そして、一番驚愕したのは(勿論、良い意味です)警官隊の描写なんです。
少女が棒を持ってカタカタと壁を擦っていると、途中から煉瓦ではなく強化プ
ラッチックの盾に変わるところは、背筋に鳥肌すら立ったほどなんです。
そして……警官と言えども普通の人間であり、休憩時間を使ってキャッチボール
をしている姿に公平さを感じます。

しかし……「権力」の側に立った警官から追いまわされる兄トニーのシーンも
また凄い!玄関から居間に入って、裏口に出て、柵を飛び越え……また隣家に……
北愛蘭土のベルファストを舞台にしているのか?と錯覚したほど(笑)
殴られてシーツに血が滲む姿も……十分過ぎるくらいの効果を挙げており、
先程の「キャッチボール」のシーンと重ね合せることにより「権力」の怖さを
感じさせるものです。


(御好きな方はここで止めましょう。後半は何一つ!!!!誉めるべき箇所が無いのです)











と………絶賛尽くしで……終ってくれたら「お気に入り」壁紙の使用も考えて
いたのですが……まあ、中盤から坂どころか、人工衛星が落下してくるような
未曾有の酷さに変貌するのです(しかも、出来が極度に悪くなる!)







(罵詈雑言モード)




どこから転落していくか?といえば、ビリーとマイケル(スチュアート・ウェ
ルズくん)がダンスをしている……そこで父親に見つかり、舞ひはじめ父親が
ビリーの応援をするところからなんですわ。ビリーを学校に行かせるため、ス
ト破りを決意するシーンがあるのですが……が……

「俺達には未来が無い……だが、ビリーにはある」

普通は、ここが泣かせのシーンですよね。でもねぇ……描き方が足りないんで
す。もっとハッキリ言えば極薄です。で……母の遺した形見に手を付け……募
金活動をして……なんですが(--;)これが輪を掛けて薄い……(--;)(--;)
呆れ果てる以外の何が出来ましょうか?父親が「舞ひ」を見て心動かされた?
これだけのシーンでは、説明不足ですし……続くシーンがこれでは白けるばかり。

更に……間違いだよねぇ……「お父さん、あなたを信じて良いですか?」とは、
『ミュージック・ボックス』の名コピー!ですが……ホント、まだここでは信
じていましたよ。(涙)

で、学校に行ってオーディションを受ける……さあ、ここからが問題なんです。

「ここがロードス島だ、踊ってみろ」と……踊りましたが、上手く行かず(で
すよねぇ)審査員は浮かない顔。ビリーくんもそれを感じて、落ち込みます。
そこで受けていた他の子がビリーくんの肩を触ります。殴るビリーくん???
じゃぁ……マイケルくんの立場は?って為りませんか?(激怒)余り映画の中
でゲイの扱い方に関しては気にしないほうですが……ここまでイヤーな描写は、
初めて御目に掛かりました。

つまり……マイケルくんは、ゲイだけど友達だから例外って訳なのね。(嘔吐)

そして……まだまだ続きます。今回は不幸にもウィルキンソン先生が矢面に立
つ番です。審査員の先生が「ウィルキンソン先生の紹介状にそう書いてあった…
云々」


はぁ???????????????????


って為りませんか?だって「負け犬」とビリーくんに言われた先生が、そこま
で顔が利く立場だったの????昔、一花咲かせて……事故か何かで……は黄
金パターンなれど許します。でも……過去にどんな実績があったのかが全然判
らないんです。ホント……同じ人が撮った映画かなぁ?と頭痛がして参りまし
たよ。

そして、ビリーくんが語った言葉で、審査員の先生方は感涙に噎んだようですが
「月曜瓦版」じゃないんだし(笑)「言葉」で大トリが取れる訳じゃないのよん。
だって、台詞があるバレエなんて在りますか??「舞つて」ナンボじゃないんで
すか?台詞が無いから「舞ひ」に全てを託すのがスジってモンでしょうが!
(噴火!!!)

さらに……父親が……ビリーくんと同じ構図で、スキップ!卵投げてやろうか?
とマジで激怒した前半最高、後半は嘔吐&頭痛&噴火&投石モノの最低の映画です。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2001年4月9日 ワーナーマイカルシネマズ市川妙典スクリーン4にて鑑賞→苦行)

BGM:チャイコフスキー作 組曲『白鳥の湖』

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