(戦)『墨攻』

時は紀元前の中国戦国時代。趙と燕の国境にある粱城は、
趙によって攻撃されようとしていた。10万の趙軍に対
し、梁城の全住民はわずか4千人。頼みの綱は墨家の救援
部隊だったが、間に合いそうもなく、粱王(ワン・チーウ
ェンさま)は降伏を決断する。墨家の革離(かくり)
(アンディ・ラウさま)がたった1人で駆けつけたのは、
その直後だった。兵に関する全権を粱王から与えられ、早
速城を守る準備に取りかかる革離。趙軍の指揮官・巷淹中
(アン・ソンギ御大)は革離を好敵手と見なし、やがて激
しい攻撃を開始する……。

原作を未読の為、映画の中の設定に着いていけるかどうかが
不安でしたが杞憂に終わりました。中国、香港、韓国、日本
のスタッフ&キャストが上手く手を結んで「映画」として
成立するものとなっております。この映画で何が驚きかと
言えば髭を生やしたアンディ・ラウさまがかなりイケていた
ことよりも、韓国映画界の至宝のアン・ソンギ御大が御出演
されていることなんですねぇ。予告編の段階から情報は入
っておりましたが、流石の貫禄!10万人の兵を率いる巷
淹中を抜群の存在感で演じております。

もう一つの驚きは、粱王の性格の悪さ!殆ど冗談としか思
えない偏執狂的でネチッこい性格のキャラを演じているのは
嫌味な男を演じさせたらアジア映画界でも一番では無いかと
思っている『始皇帝暗殺』や『朱家の悲劇』でも嫌味なキ
ャラ全開だったワン・チーウェンさまが演じていたんで思
い切り納得の展開です。紅一点の女剣士逸悦を演じたのは
ファン・ビンビン御嬢様。革離との淡く儚い恋路を淡々と
描いていて、それがこの映画に濃淡をつけているんですねぇ。

この映画の教訓は、人間不信は結果的に自滅への道を辿る
ってことになるんでしょうか……。映画の最後でそれぞれの
運命が語られるのでありますが、やはりそうなるなぁ……
的なエンディングでありました。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2007年2月3日ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて鑑賞)

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