(色)『バウンド』

皆様、ご機嫌如何でせうか?わたくし、マダム・DEEPと申します。m(__)m

一年振りに再見した『バウンド』。

とても素晴らしひ映画でしたわ。二度目の鑑賞に堪へられ、しかも更に
スリリングな展開を見せ付けてくれる様な感じが致しましたもの。

お話の方は、ミステリー仕立てとなつてゐる為に、肝心要の所がご紹介
出来ず悔しひのですが、敢へて表現するとすれば、「基本をわきまえた
映画の強み」と言ふことでせうか?

まず、オープニングの格好良さと言へば、もふ………。タイトルの出し方
だけで、これは「犯罪映画」であると予感させる作りとなつて居るので御座
ひます。

縛られてゐる女。カメラが回り、そこはクローゼットの中であると「映像」で
解らせるテクニック。脳裏にこだまする、それぞれの「謎」を含ませた台詞。

最初に不条理な世界を明示して、段々と解き明かされてゆく「愉悦」に満
ちた語り口。

女の回想がはじまる。舞台はエレベーターの中。レーザー・ジャケットを着
たコーキー(ジーナ・ガーション)、締まり掛けた扉に乗り込む一組の男女。
男は無言の侭ボタンを押し、情婦らしき女はサングラスを掛けてゐた。

女の名はヴァイオレット(ジェニファー・ティリー)彼女は、コーキーの姿に
気が付きサングラスを外す。狭ひエレベーターの中に立ち込める二人だけ
の濃厚な「色」。

男は、シーザー(ジョー・パンテリアーノ)堅気の仕事をして居る様には見
へず。それもその筈、犯罪シンジケートの洗濯屋。

ヴァイオレットは名の通り、「紫の女」。知恵の付ひたしたたかさを垣間見せ、
コーキーを部屋に誘ひ入れることに成功する。その際に使われたのが、
イヤリング。

彼女は、流し口にそれを入れ、コーキーの到着を待つ………。イヤリング
が取り出され、お互ひに旧知の仲であるかの様に誘ひかける「知恵」。

このシインをはじめと致しまして、随所に「映画」ならではの「官能」をくすぐる
「描写」が御座ひまして、数へ挙げれば際限が無くなりますのよ。

ベッドシイン等の直接的な「官能」をくすぐる場面もあれば、ボトルが割れる
シインをスローで撮つたり、エレベーターの場面を真俯瞰から映したりと、
実に、「映画的官能」に満ち溢れた作品で御座ひます。

良く練り上げられた一級品の脚本。二人の女優が放つ濃厚な「色」。
男のしぶとさ、正に『バウンド』と言ふ題名が示す通りにそれぞれの思惑に
因つて動く展開は予測不可能ですのよ。

映画の教訓(?)

誠にもつて、人の心は読めなひものですわねぇ………。

『裏社交界の徒花』 マダム・DEEP(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

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