(冷)『ブラス』

昨晩、東京国際映画祭にて『ブラス』を鑑賞致しました。

この会議室でも評価が高い作品ですし、客席の中からも
すすり泣く声が聞こえてきましたが………。

結論から言いましょう。僕はこの映画を好きになることが出来ません。
僕にとっては、大嫌いな映画です。

理由

1.吹奏楽そのものが好きではない。
2.バンドの指揮者であるダニーと言うキャラクターに虫唾が走る。
3.問題提示だけしておいて、打開策を提示していない。

1に関しては、幾ら実話ベースだとしても、吹奏楽そのものが好きでは
ないのでどうもスミマセンと言う感じ。
エルガーの『威風堂々』は吹奏楽ならではの音楽であるが、ロドリーゴ
の『アランフェス協奏曲』を吹奏楽で聴きたいとは思っていません。

2.これなんですが、ピート・ポスルスウェイトの演技は悪くないし良く
頑張っているとは思います。ただ、彼が熱演すればする程そのキャラクター
が鼻について嫌ですね。
このダニーと言うキャラクターですが、炭坑が閉鎖されようがそんなことは
お構い無しでひたすらバンドの存続だけを願う人物ですが、その情熱は
分かるのですが、その無神経さゆえに多くの人を犠牲にして居る事に
最後になるまで気付いていないようです。
もっとも、彼のキャラクターが自分の一番嫌いな部分と共有している為に
近親憎悪の感が強いのですが。(^^ゞ
僕も歳を取ったらああいう年寄りになるんだろうな。それが堪らなく嫌です。

3.炭坑の閉鎖は「時代の流れ」からして仕方無いことであり、本当に
バンドの存続を望むのならば、アルバート・ホールであんな演説をぶちか
ますより、『コンタクト』のジョディ・フォスターのように企業回りをすべきで
はないかと感じた。
それもあるし、経営者側が二年前まで炭坑閉鎖を考えながらギリギリまで
粘ってくれたその「温情」に感謝すべきではないか?
あくまでも「労働者」=「善」VS「経営者」=「悪」と言う構図は、僕も心情
左翼なれど余りにも単純な図式です。

まあ、そうは言っても好きな人も居るだろうし、自分の好みを人に押し付
ける位に嫌なことはないので、オフ会の時に観る映画としては悪くはない
でしょう。僕にとってはそれだけの映画。

大倉 里司(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

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