(縁)『セントラル・ステーション』

「遠くの親戚より近くの他人」とか、「袖振り合うも多少の縁」とか、「一期
一会」と言う風に、人とのつながりを示す諺とか慣用句は多くありますが、
それを実感させてくれるのが、『セントラル・ステーション』と言う映画。

この映画、去年のベルリン映画祭で、グランプリに相当する「金熊賞」と
銀熊賞としてフェルナンダ・モンテネグロ様が受賞され、今年の米国アカ
デミー主演女優賞にもノミネートされました。

話しの方は、『グロリア』からはじまった、年上の女性が幼い子供を連れて
目的地を目指すと言うパターンで、それほど新しさを感じないのですが、
ヒロインが、すっぴんで勝負するところに、真の女優根性を見た!って感じ
ですねぇ……。

この「化粧をしない」と言うのが、一つの重要な伏線を秘めてくるのですが、
それは見てのお楽しみ。

僕は正直言って、こうしたパターンの映画って、余り好きでは無いのです
ね……ガキが煩くてイライラするのがその理由でして……m(_ _)m

まあ、例外もありまして『グロリア』は、ジーナ・ローランズ姐さんの格好
良さに惚れた訳ですし、「女性」を主人公にした「ハードボイルド映画」
としてこれ以上の物は無いと言いきっております。

『レオン』は、ジャン・レノの髭面の可愛さと、マチルダを演じたナタリー・
ポートマン御嬢様が垣間見せる「女の業と知恵」を見たからですねぇ。

今回の『セントラル・ステーション』のヒロインのドーラは、化粧もしないし、
グロリアの様に強くも無い。無責任で身勝手でなお且つ我が侭な「普通」
の叔母様なんですねぇ……。

では、何処に映画を引っ張る力が有ったかと言えば、9歳の少年ジョズエ
を演じたヴィニシス・デ・オリヴェイラ君なんですねぇ……(^^)

僕は少年愛の持ち主では無いので、現在は眼中に置いておりませんが、
中々将来が楽しみな顔をしております。20代〜30代を迎えた時に、その
美貌が頂点に達する顔です(超断言!!!!)(*^_^*)(ポッ)(*^_^*)(ポッ)(*^_^*)
美形と言うよりも、ハンサム顔の特徴が明らかに顔に出ております。

このジョズエ(性格的にはかなり鬱陶しいのですが(笑))と代筆人を営む
ドーラが知り合う切っ掛けとなる事情の描き込みも、現在ブラジルを初めと
して、第三諸国が抱える問題を内蔵しておりまして、実に説得力があります。

僕が感心したのが、ヴァルテル・サレス監督がドキュメンタリー出身の人だ
けあって「画に力がある」んです。

とりわけ、リオデジャネイロのセントラルステーションにて、到着した列車に
群集が入り込む描写は、一発で納得させるだけの力を持っております。

それに、キャスティングにしても、1500人の中からヴィニシス君を選んだ
と言うのにも「愛」を感じますね。
「子役」が青年期を迎えて「スター」になると言うケースは、極めて珍しく、
聖林を探してみても数える位しかおりません。何故かと言えば、子役で
可愛ければ、可愛い程、後に致命傷的な欠陥を内蔵しているんです。
それは「顔が合わなくなる」事です。今回彼を起用したのも演技もさること
ながら、長い目で育てて行こうとした愛情の現れだと、僕はそう判断しまし
た。

「大河浪漫を愛する会」 大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)
(4月5日 恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞)

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