以前より韓国映画荘の皆様が、各映画祭で『八月のクリスマス』を既に御覧に
なり絶賛評を挙げられているのを読んで期待はしていたのですが、予想以上に
素晴らしい映画でした。
ぼくは、正直言って「男女の恋愛物」は本当に苦手でして……。今迄に観てい
て泣いてしまったのが『心の地図』と『奇跡の輝き』。両作品共にヴィンセン
ト・ウォード監督作品でして、やたらと肌が合うなぁ……と思っていたのです
が、あらら……ヤバイ……これで三本目ですねぇ。
普通の恋愛物よりは……ジョンウォン(ハン・ソッキュ様)とタリム(シム・
ハナ御嬢様)との比重が軽いと言う訳では無いのですが……恋愛物としてだけ
では無く、ひとりの人間が如何に「死」を見つめて生きて行くか……
そのプロセスが大変に丁寧に描き込まれており、嫌らしさとかあざとさが一切
無い……本当に愛に溢れた上品な作品です。
ここだけが……時間の流れが違うのですね……決して早急に流されることは無
く、あるがままに時は流れ夏から冬に向かって行く。
その「時間」の中で……己の宿命を見据え……時には笑い、恐怖に脅え、悔い
が残らない様に……死後も迷惑が掛からない様に……。
ぼくと同じくジョンウォンも死後の世界を信じている設定ですが……やはり、
「死」は怖い……雷雨の夜ひとりで布団を被って脅えているのも良く分ります。
ただ……本当に彼は立派だなぁ……と思うんですよ。ひとにはそれを見せない
から……。
そうした意味で……彼は、あのチョゴリを着た老婦人と「魂」を共有していた
のでしょう。
御互いに知られたく無いし、心配も掛けたく無い……ただ、己の天命を見据え
……御互いに自分の人生は自分で幕を下ろす決意をしている。
だからこそ……御互いにカメラの前に座った御姿が美しいのですね。そして……
目に見えない存在が……最後の御褒美として彼の基にタリムを遣わせたと、ぼく
は……信じております。
これで良いのですよ……。
「大河浪漫を愛する会」大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)
(6月13日
シネマスクエアとうきゅうにて鑑賞)
BGM:OST:『シン・レッド・ライン』より『サイレンス』
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