(凡)『クッキー・フォーチュン』

ロバート・アルトマンの全作品は観ていないので、何とも断言しずらいのです
が今回の映画のコピーを借りるならば、「人の数だけ秘密がある」では無くて、「人
の数だけ凡作がある」と不遜にも感じてしまった一作。

ウィリス(チャールズ・S・ダットン様)にとって、その日はロクでも無い日
だった。酒場で呑んで、気持ち良く家路に帰ろうとしていたのに、酒瓶は落と
してしまうし、エマ(リブ・タイラー御嬢様)に声を掛けても居留守を使われ
てしまう。そしてクッキー叔母さん(パトリシア・ニール様)の銃の手入れを
しなくては為らない……
やがて、その一日がまだまだマトモな日であったことに彼が気付くのは、そう
遠い日の事では無かった………クッキーが、亡き夫に逢う為拳銃自殺を遂げ、
クッキーの姪であるカミール(グレン・クローズ様)が、自殺をするのは不謹
慎として、他殺に偽装した為、殺人容疑が掛けられてしまった……

と………冒頭部分を書いてみたのですが、予告編等で遣われていた「クッキー
叔母さんの自殺」迄延々45分もみせられるのですわ……

これを評価出来る人は良いのですが……もう、たるくてたるくて……
動きが無くても、キャラクターの描き込みなり、情緒溢れる描写ならばまだし
も、「ごく普通の出来事」を淡々と綴っているものだから……勘弁してよって
感じです。幸いにして役者陣が超一流の方ばかり使っているので、「学芸会並」
とは感じませんし、幾つか光る場面があるのですが……長すぎますし、伏線を
張るにしてもこの部分で引っかかる場面が殆ど無いのが痛い。(涙)

伏線が張られるのは、自殺を偽装してからの後半の部分でして、それを最後に
ひっくり返すのですけれども……それまでに観ている自分はダレてしまって、
ああそう……(--;)と感じることしか出来ないんですね。

一時間半にして、もっと軽快に見せてくれるのならば、評価も出来ますが……
そして、最後に明かされる秘密も……ああ、成る程と評価出来ますが、その後
のフォローが弱い。かなり毒を含んだ結末だけに……何だか突き放されてさよ
うならと言う感じですね。

評価出来る場面としては、今一番の売れっ子であるジュリアン・ムーア様をこ
うした形で使ってしまう贅沢さ位なものでしょうか?

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年2月23日 シネセゾン渋谷にて鑑賞)

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