(炎)『ダンテズ・ピーク』

今迄、傑作を撮ったことが無い、ロジャー・ドナルドソン監督の初めて
の快作と言っても良いと思います。


△▲△▲△▲△▲以下、オタク爆発モード△▲△▲△▲△▲△▲△▲

一応火山のつもり(^^ゞ


冒頭部分でのボリビアでの噴火のシーンは文句が無い出来です。
火山弾が降り注ぎ、愛する妻が死んでしまう。そして、火山弾によって火災
が発生してしまう描写は、まったく嘘がありません。

さて、非難勧告を出そうとするハリーを「行政上の理由」で上司ピーターが
STOPさせる理由も説得力がありますし、まだその時は科学的データーが
無かったので出すわけにも行かないのも肯けます。(^^)(^^) ウンウン

しかしながら、すこし疑問に思ったのは、最初の部分で温泉に入っていた
「アベック」(いつもながらの定石。決して老人、子供は最初の犠牲にな
らないんだ (笑))が死んでしまうシーンには、不自然さを感じました。

炭酸ガスの発生により、水が強酸性になってしまうのは、分かりますが、
急激にああなるのか?
むしろ、色のついた「有毒ガス」が出てきて死んでしまった方が納得できます。

(火口付近では、絶対に「色」のついた空気には、近づかないでください!)

あと、最初の噴火ですが、火山性地震が発生しますね。(^^)
これですが、画面を見た感じですと、震度5の強震クラスのものと判定し
ました。
しかしながら教会の塔が倒れるのは、構造上納得できるとは言え、老朽化
していそうも無い建物が、ああ簡単に倒壊するのか?
それに、高架の道路ですが、震度5クラスの地震でああも簡単に崩れてし
まうとは考えられません。
それに、致命的な過ちとして、道路に地割れが発生していない事を挙げてお
きましょう。撮影上無理があると言う、言い訳は聞く耳を持ちません。(笑)

あっ、そうそう。体育館のシーンで地震が起こりパニックになりますよね。
ああ言うときは、落ち着いて「他の出口」を探してください。
そして、慌てて外に出ないようにすることも忘れてはなりません。
もし、万が一、一つしか出口が無く、半円形状に人が群がった場合は、出口
から観て正面方向に位置をとってください。決して慌ててはいけません。


何だかんだとケチを付けていますが、これからは文句無しの爆発シーン

人格下劣なあの、「追加料金」のパイロットがヘリコプターで一人当たり
15000ドルで「避難民」から金を毟り取ると言う行為は、断じて許す
わけには参りません。(断言)
彼が起こした行為は「人災」であり、当然の報いを受けたわけです。(^^)

そうそう、「火山灰」についても不満が一つ。←誰もそんな所観てねーぞ。(笑)

「火山灰」ですが、大変に重いものです。これは、九州地方に住む方であれば
ご存知だと思います。
あの「火山灰」は軽かったような気もしますが?(^^ゞ(^^ゞ(^^ゞ………フキフキ

大正15年に噴火した、鹿児島県桜島の事例では、時折肩に積もる、「火山灰」
を振り落とさないと重くて仕方が無かったと言う証言もあります。
因みにこの時の「火山灰」は遠く離れた東京でも観測されました。

映画の後半で描かれていたのが、雪解け水による「泥流」ですね。
あれは本当に恐ろしいものです。これに巻き込まれたらまず命はありません。
「溶岩流」は時速10キロ前後で逃げようもありますが、「泥流」は最大時速
100キロ(平均時速40キロ〜50キロ)と言われております。
これに出会ったら、一刻も早く高い所まで逃げるしかありません。
(因みに台風の時の大規模な山崩れは「土石流」と呼んでいます。この時
も予兆として湧き水が濁ると言う現象が発生します)

さて、もう一つ、火山災害で最大級に恐れられているのが、「火砕流」です。
大概の火山災害の死者はこれによって発生します。

「雲仙普賢岳」もそうでしたが、僕にとってこの災害で思い出すのが、
仏蘭西領マルティニック諸島にある「モン・プレー」の噴火です。
実家に資料を置いてきて正確な数字は出せないのですが、「火砕流」が
街を直撃し、確か28000人の死者を出し、街は全滅しました。
しかし、全滅していた街に、ただ一人だけ「奇跡的」に死を免れた男が
おりました。

皮肉にも彼は、処刑を待つ「死刑囚」だったのです。
地下の独房に幽閉されていたために、奇跡的に大火傷だけで済みました。
その後、彼は特赦され、見世物団の一員として余生を過ごしたと言います。


▲△▲△▲△▲△休火山状態に戻りました。△▲△▲△▲△▲△▲△▲


しかし、調査団の一員が、「ポンペイみたいね」と言うセリフで大笑いして
しまったのは僕だけでしょうか?(笑)
でもまあ良くこれだけ災害オタクを満足させてくれる脚本家、レスリー・
ボーエン様にお礼を言いたい。
次は、「天災」ではなく、「人災」で御願いしますよ。(^^)

「パニック映画友の会」大倉 里司

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