第12回東京国際映画祭で、アジア映画賞1999、ゴールド賞、グランプリ・
都知事賞と三冠王に輝いた作品ですが……その事を極めて遺憾に感じるのがこ
の作品。
好き嫌いは別としても、観た範疇で言えば、『アローン〜ひとり』、ミステリー
としては最悪ながらも『破線のマリス』、『マリアの息子』、『オネーギン』
辺りが、候補作と為るのでは?と思っていたのに、あらら………まあ………(--;)
と言うのが正直な感想。
オープニングで、マジックで亀の絵をガラス窓に描いている少女カンイは台北
から家に戻ってきた。弟アギイは精薄の気があったが、二人は大の仲良し、盲
目の父は義母とマッサージ業を営んで生計を立てている。ある日、向かいの棟
にアピンと言う青年が引っ越し、ヤクザの子分として使い走りをやっていたの
だが………カンイと淡い恋に落ちる。
と………一応筋は有るように感じるのですが、まるで起伏に欠けるので、ウト
ウトと眠くなりかけても、同じシーンが掛かっているかの様な錯覚に陥ってし
まうんですね。
白色テロの中で生き抜いた一家族の波乱万丈の年代記を見せて欲しいとは言わ
ない迄も、映像が美しいのに、それが生かされていない気もするし、一体何な
の??????????????????と感じることしばし。
ただ、この映画で、唯一面白いと思った点は、アピンの親分が居る部屋と、カ
ンイが住んでいる部屋の相対照なんですね………。カンイ=堅気が住んでいる
部屋は、淡水性の亀が居て………片やアピンが住んでいる部屋は、海水魚の水
槽がある………しかも、ご丁寧に鯛の魚拓まであるのですから、恐れ入ります。
一番驚いたのが、何の必然性も無く、洗面台が窓の外にあることなんです。
美術に気を遣っているのだったら、少しは観客を楽しませることに意義を見出
したら?と思うのですが………このチャン・ツォーチ監督は、受賞式のコメン
トにもFAXで………「私は素人俳優が好きだ………」との映画祭のカタログ
通りの文面しか寄越さない方なんですね。
勝手に釣りでもしていれば………と、ぼくは、無視するのみ。
「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
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