(災)『デイライト』

全国に散らばる「パニック映画」ファンの皆様こんばんは、大倉です。
(口調は水野 晴夫風に、あくまで眼は笑わず、口元だけはゆるめる事)

今日は、『デイライト』の超オタク的感想を書きに、ここに参りました。
ネタバレ全開&良く分からない解説付きなので未見の方は絶対に以下の文章
を読まないでください。m(_)m

一言だけ言わせて貰うならば、「パニック映画」ファン必見の映画です。(^^)
今回は「天災」ではなく、僕の好きな「人災」です。(^^;;


*********ネタバレ&オタク全開モード***********


この映画を観ていて思ったのですが、「パニック映画」に対しての「愛」が
有りますね。
犬が最後まで生き残る所は、『タワーリング・インフェルノ』のフレッド・
アステア演じた詐欺師が、惚れた女の形見として猫を預かるシーンへの
オマージュですし、電線がパチパチ振りまわっている所は『大地震』での
放水路でのシーンを思い出させます。
ついでに言ってしまえば、ブレスレットを託すシーンは、『ポセイドン・
アドベンチャー』でのシェリー・ウインタースへの「愛」があります。

『ダイ・ハード』も「パニック映画」への熱きオマージュがありました。
それから啓発されて、数多くの秀作が作られた事を考えると、『ダイ・ハード』
は映画史に残る一本となるでしょう。

『デイライト』を観ていて感心したのは、「災害オタク」の僕の眼から観ても
それほど不自然な点は感じなかった事です。
何よりも「天災」ではなく「人災」で此処まで話がでかくなるのが良い。(^^;;
『ツイスター』はあくまで「天災」だもんなぁ。避難場所の誘導を間違えてパニック
に陥って災害を大きくすると言うパターンは無かったものぁ。

まず、スターローン演じるキット・ラトゥーラは,EMSの元チーフだけあって、
処置が適切ですね。
最初の爆発で、火だるまになった人を救出するシーンがありますよね。
その時彼は、「地面で転がれ」と言うんですね。その上で自分の上着で火を消す
のです。
この時に間違っても水を掛けてはいけません。火が他へ飛び散る危険も出てきますし
水を一回掛けたぐらいでは火は消えないものです。
人では無く、石油ストーブ等から火が出て発火したときは、毛布等を掛けてその上で、
水を注げば一発で消えます。
消火器を使用する場合でも、必ずノズルは火元に向けて下さい。炎に向けても無駄に
終わります。初期消火は3分以内であれば大概の物は消せます。
(ビル火災の場合、消火不能の場合は3分以内に、下の階へ脱出すること)

それと、怪我人には、傷口を絶対に見せてはいけません。(ショック症状が出る)
出血部分を止血帯で押さえて(映画の中では、ちゃんとやっていたので感動した)
その上で医者に引き渡す事。あと、忘れてはいけないのは、ネクタイ、ベルト等を
ゆるめて下さい。

トンネル内では、水の心配がありましたね。車の上に移動させましたが、これも
素晴らしい決断でした。
この場合、溺死よりも、衰弱死の危険の方が大きいと判断したのでしょう。
出来れば、水が出る前に、トランク等を開けて、懐中電灯等を拝借する
(焼けていなければ)にした方が賢明な選択だと思います。
ただ、そうしたシーンを描くと「略奪」のススメのように取られるのでしょうから
この映画では避けたのだと思いますが。

あと、感心したのがヒロインの果敢な行動です。

電線を鷲づかみにするのは、どうか?と思いましたが、あれ以外に選択は無かった
のでしょう。しかし、本当の「災害オタク」ですよ。偉い!
それと、最後のシーンで、キットの首を押さえたまま泳ぎますよね。
あれが正式な救助方法です。後ろから回り込んで、首を押さえないと抱きつかれて
しまい二人ともお陀仏になってしまいます。

この映画を観ていて思い出したのが、東名高速道路で1979年7月11日
18時40分に起きた「日本坂トンネル火災」でした。
この時は、鋼鉄を積んだ大型トラックに乗用車(セドリック)がぶつかり、
其処から発火、その後ろにあった大型トラックに松根油が積まれて居たために
炎上を起こし、172台の車が全焼しました。幸いにして死者は7人で済みました。
これは、火の回りが遅かった事と、爆発が起きなかった事にあると思います。
日本では、この事故以来、『道路トンネル非常用施設設置基準』が設けられ
トンネルの長さと交通量の多さに応じて、ランクを5段階に分けて、非常口の
設置であるとか、スプリンクラーの設置を義務づけています。

それからすれば、通行量が3万2千人の、あのトンネルにスプリンクラーが
設置されていなかったのは、古いからなのでしょうか?(笑)

********ネタバレ&オタクモード解除**************


因みに、このトンネルが重要な役割を果たす小説と映画に関して言えば

ロバート・R・マッキャモンの『スワン・ソング』と
スティーヴン・キングの『ザ・スタンド』があります。

どちらもニューヨークから脱出する時に、印象的な使われかたをして
います。
尚、『ザ・スタンド』はテレフューチャーとしてビデオでも見られます。
出演は、ゲイリー・シニーズ、モリー・リングウォルド、ロブ・ロウ他。
それと、御大スティーヴン・キング先生が随所に登場し中々面白い内容と
なっています。

「バニック映画友の会」 大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)

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