(災)『ディープ・インパクト』

皆様、御機嫌如何でしょうか?「災害オタク」の大倉です。

以下書くことは、一部「非常識」に思える発言が多数あると想像されます
ので、「災害」ネタに敏感な方は読まないようにお願いします。m(__)m

映画の出来としては、「トホホ」な作品ですし、批判ツリーの皆様の御意見
も判りますし、両方のツリーにレスを付けたいのですが、独自の見解を出し
ます。m(__)m


(改行致します。まずは不満点から)


まずねぇ。オープニングがダメ。彗星を発見した少年(イライジャ・ウッド)が
写真を天文台に送るでしょう。
これを貰った彼が、コンピューターでシュミレーションして、慌ててE−メール
&FDにて送ろうとするのですが、これが違和感がありましたね。

まず、情報処理に関心が在る者ならば、一度計算しただけで、即断はしない
ものです。まずは、プログラムにバグが無いか?どうかを疑うし、もう一度
計算をし直してみるものです。

それから、E−メール送信ならば、話は分かるんですよ。(トホホ)

それに、その後に自動車事故ですが、う〜ん。良くもまあ、FDが無傷で残
っていたものですねぇ………。それに、この発想も安直。(トホホ)

それに、個人的には、イライジャ・ウッドのシーンは「全部」不要ですねぇ。
観客を焦らせるのが目的だとは思うんですが、まあ、人様に迷惑は掛けて
いないから良いですが(これは、後述)

それと、皆様から反論を覚悟の上で書きますが、『メサイア』号のシーンも
僕は不満でした。まあ、乗組員がハンサムさん揃いなので評価は上がって
おりますが………。(^^)

途中で爆破させて、彗星を二つに割るシーンがあったじゃないですか。
これなのですが、非常に異端的な感想なのですが、最初の作戦であえなく
玉砕していればなぁ………と不遜にも思ったんですよ。

人類の英知も空しく、その侭彗星が衝突し、非常に暗あ〜い終わり方を
してしまった方が僕は評価できますねぇ。(興行的には絶対に不評でしょう
が)

その上で、残された日々をどう過ごすのか?が、描かれていたら評価は
文句無しの満点です。

だって、『メサイア』号が残っていた時点で、「ああ、これは………」と思っ
たのですから。(涙)勿論、映画の中で描かれていた、地球上の人々は
そんなことは気にしていないでしょうが。


と、映画の出来としてはボロカスなのですが、それでもこの映画が僕は
好きなのです。(^^)


何と言っても、マキシミリアン・シェル様とヴァネッサ・レッドグレーブ様の
顔合わせ(映画の中ではバラバラのシーンでしたが)は、『ジュリア』以来
の事でして、それが故に個人的評価はグンと上がっております。

ヒロインを演じたジェニー役のティア・レオーニの演技は、この映画の中で
は未だ開花しきれていなかった様ですが、これだけの「大作」に出たから
にはそれ相応の「力量」があったのでしょう。今後を期待します。
何故ならば、「大作」に出て鳴かず飛ばすの役者が、ある作品を切っ掛
けにブレイクすると言う実例を僕はこの目で何度も見ているからです。

で、そのジェニーとジェイソンの絡みなのですが、それまでの描写不足を
補って余りあるのが、ラストに示された海岸でのシーンです。

思い出の場所に戻ると言う設定も良いのですが、何しろ「海岸」と言う
のが評価が高い。(^^;;

津波が来て最初に死ぬのが判っていながら、敢えて海岸で死を迎える
ところが粋です。

で、もう一つ要望を書けば、サーファーの描写も欲しかったなぁと………。
史上最大の大波(?)(注)に呑まれるのを判っていながら、サーフ・ボード
を漕ぎ出す人も絶対に居る筈なのですね。これが在れば文句無しに満点。

母親役を演じたヴァネッサ・レッドグレーブ様は、美術品のコレクターとして
天寿を全うされました。(^^)
御自分が持っていた、各種美術品を国立美術館に寄贈し、「これでわたし
も何かを遺した気になったわ」と語るセリフは、観ていて泣けてしまいました。
くどい様ですが、「自分が死んだら棺桶と一緒に絵を焼いて欲しい」とほざ
いた某企業家に爪の垢を煎じて飲ませたいところです。

それに、彼女が静かに衣装を選んで、身を整えるところは「美」しいのです。

それと、イライジャ・ウッドが演じた少年も我が侭ではありますが、少なくとも
『タイタニック』のヒロインの様に「他人様」には迷惑を掛けていない様に感じ
ましたし、まあ、これが結構重大なポイントだったかも知れないですね。

今になれば、まあ判らないでもないですが、本当に『タイタニック』を観た時
は怒り心頭に達しておりましたので。

馬鹿な少年ですが、御自分でケリをつけ、人様に迷惑を掛けていないので
したら僕は許容範囲内ですから。

不要にも感じた『メサイア』号のシーンなのですが、まあ登場するクルーが
皆様ハンサム揃いですし、とりわけ失明してしまうロン・エルダード様の
顔が個人的に好みでしたので。(^^)(^^)(^^)これだけでも、「目の保
養」。

あと、この映画を観ていて感じたのですが、非常に「宗教国家」としての
アメリカ合衆国を感じましたね。(^^;;

ロバート・デュバル演じた『メサイア』号の船長が、『白鯨』と『ハックルベリー
フィンの冒険』を船内に持ち込んだ様ですが、これで「旧き良きアメリカ」
を象徴している様なラインナップに大笑い。

そうですね。僕だったらホーソンの『緋文字』と、『聖書』じゃぁないですか。
是非とも『ヨハネの黙示録』を読み上げて欲しかったなぁ………。
そちらの方が「正直」で良かったのに。(激爆)


あと、最後に気になった点を一つ。この映画は決してハッピーエンドでは
ありません。

何故かと言えば、大西洋に落ちた小彗星に因って大津波が起きるので
すが、この大津波によってアメリカ大陸の大半の区域と、欧州の平野部
が甚大な被害を受けた筈です。死傷者「何百万人」と軽く流しております
が、その後数千万の死者が出るであろうことは容易に察しがつきます。

1.その大津波によっての「塩害」によって、世界有数の大穀倉地帯が
数年使用不可になってしまう。それにより米国は穀物輸出禁止令を発
令するのは目に見えております。

2.米国東海岸と欧州、阿弗利加大陸の幾つかの港湾設備がこれに
より使用不可になってしまう危険性がある。
これによる「物流」の経路が絶たれる危険性は想像するに恐ろしく、
疫病の発生が懸念されます。

3.米国内部での大量の国内&国外移民発生による大混乱による
騒擾効果。『日本沈没』では無いですが、受け入れてくれる国があるの
でしょうか?これに因って、「内戦」の危険性も危惧される所。

「パニック映画友の会」 大倉 里司(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

BGM:Deep Forest『Colal Raunge』

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