(壁)『キッド』

ラス・デューリッツ(ブルース・ウィリス様)は、40歳を目前にした有能なイ
メージ・コンサルタント。仕事では成功を収めているのですが、ある朝、赤い
飛行機が上空を飛んでいたり、そうかと思えば、その夜に8歳の頃の自分ラス
ティ(スペンサー・ブレスリンくん)が現われ、彼の精神は崩壊寸前(笑)。元
々いじめられっ子だった彼にとって、子供時代は消し去りたい記憶が……不器
用なラスティの一挙一動に嫌な思い出が甦る。今の自分はあの頃とは全く違う、
やっと掴んだ人生の成功者…でも、驚いた事にラスティは、そんなラスに幻滅
する。「40歳にもなってパイロットじゃなくて、犬も飼ってなくて、独身なの?」
と理不尽に責められる(涙)

ラスティを消すための様々な方策を練る内に、ラスは今の自分が子供の頃に望
んだ夢を何ひとつ叶えていない事に気づく彼でありました……。

まず興味深いのは、少年時代の自分が蘇って、それが他人にも認知されてしま
うところが新鮮。大概こうした話だと……映画を観ている観客と……演じてい
る当事者しか見えていない設定でして、他のキャストは「観て見ぬ振り(^^ゞ」
をしているものなんです。

自分が思ったのは、ラスですか……ハンサムだし、女にはモテルし……性格は
嫌味だろうけど、自分で作ってきた防護壁なんですよねぇ……何で悩むのか?
と……言うか、ブルース・ウィリス様が彼を演じたのが、興味深かったのですよ。

彼=ブルース・ウィリスと言えば、日本人記者&配給担当者に「超ワガママ」と
太鼓判を押されたほどの性格(笑)……最近は直った様ですが、ワガママでも僕
は好きでしたね……正直だから(笑)まあ、そんな悩みの一つも無さそうな彼が、
こうした役を引き受けたのが……彼にもそうした部分があったのか?或いは、
売れると思ったから引き受けたのか?両方あるでしょうが……傍から見たら光
輝いている人生を歩んでいるような人でも「影」の部分はあるのかなぁ?と思
った次第でして。

「影」だらけの人間から見たら……少し分けてよねと願うのは自分勝手な欲望♪
役柄としてはキチンと演じているんですが、もう少し地味な俳優さんを使った方
が「真実味」は出たと思うんですよ。例えば、ビリー・ボブ・ソーントン様が演
じたら間違いなく「お気に入り!」の壁紙を使用していたんでしょうねぇ……

まあ………自分がこう感じるのは、男にしか興味が湧かず、人を容姿で判断する
悪習たる所以なんですがね。

映画としては、手堅く作ってありますし、家族揃って楽しめる映画では無いでし
ょうか?

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年9月29日渋谷東急2にて鑑賞)

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