(華)『ドーベルマン』

皆様、御機嫌如何でせうか?わたくし、マダム・DEEPと申します。
賛否両論真つ二つに割れさふな、『ドーベルマン』を鑑賞致しましたの。

くれぐれも申し上げて置きませふが、この映画は観る方を選ぶ映画です
わ。くれぐれも御注意を申しあげませふ。


♂♀∞♂♀∞♂♀∞♂♀∞久々の18禁モウド♂♀∞♂♀∞♂♀∞♂♀∞



「体制」とか、「既成概念に囚われたモラル」を打ち壊したひ欲望に駆られてゐる
わたくしに取りまして、この映画の突きつける「破壊性」と「毒気」には、素敵な
殿方に我が身が犯される様で何とも言へぬ快感で御座ひました………。

銀座のシネ・スイッチで鑑賞をしたのですが、地下に伸びてゐる階段を降りる時
から、音が漏れてくるのですわ………。「これは、倶楽部の匂ひ………」そふ思
つたわたくしは、脱衣所を探したのですが、見つかりませんわねぇ。映画館です
もの。仕方なくエビアンを買ひ、来たりくる「トランス」の為に身構へましたわよ。

で、係員の方が扉を開けますと、音の洪水状態………。嗚呼、堪りませんわ。
まるで、地下にある舞踏倶楽部を訪れた様な感覚ですわ。これで、バアが有つ
たら完璧な舞台装置ですのに………。

黒犬が登場し、旧教の聖堂がそびえ立つて居る構図。何と言ふアンモラル性。
しかも、一味の中には、ロウブに身を包んだ神父様までもが………。
流石は、旧教。二千年の命脈を保つてゐるだけのことはありますわ。こふした
清濁併せ呑む所は流石ですわねぇ。実際に居そふで何とも愉快ですわ。(^^)
清教徒の国米国に於ひては、この様にアンモラル性の塊の様な映画は拒否さ
れると考へておりますの………。

この映画の本質は、「暴力性」で御座ひますが、ペキンパー監督や、ジョン・ウー
監督の持つ「良識」とは一線を画しております。
「勧善懲悪」も確かに捨て難ひのですが、それだけですと、ともすれば息苦しく
なりますわねぇ。

「善悪の彼岸」を超へて、毒々しく咲く「徒花たち」の姿に心惹かれるものがあり
ますわねぇ。この映画の中で、「完成された人」は誰一人居りません。
皆様どこかしら「欠陥」を抱へ、それを別段気に留める様子も無く、突き進んで
行く姿に魅了されますの。

モニカ・ベルッチ様演じるナットは聾唖者ですし、ドミニク・ペダンフェルド様演じ
る神父は破戒僧、アントワーヌ・バズテール様演じるムスは女性の悩みが尽きぬ
人、そして、ステファーヌ。メッツゲール様演じるソニアは『裏社交界』に大輪の
華を咲かせるドラッグ・クイーン。体制側のクリスチーニ警部をチェッキー・カリョ
様が実に楽しそふにサド的な所を見せ付けておりますわ。

そふした連中に囲まれて、ヴァンサン・カッセル様演じるドーベルマンが出てくる
のですが、極めてマトモに見へる処が面白ひのですわ。意外にも彼だけが義理
人情に厚ひ殿方なのです。

ヴァンサン・カッセル様の映画はわたくしは、これが初見なのですが、意外にも
誠実そふな透き通った眼をして居る殿方ですわねぇ。
宣伝用の写真等では全てサングラスで隠してゐるのは、一種の戦略でせう。
サングラスを、ふと取つた時の眼に心惹かれてしまひましたわ………(*^^*)ポッ

そして、この映画のクライマックスは、倶楽部での大殺戮シインでせう。

それに致しましても、「舞ひ」をしやすそふな、フロアですわねぇ。
この時の音楽の使ひ方に酔ひ痴れましたの。殺戮シインが有るまでの描写は
プロディジー様の楽曲なのですが、「いざ鎌倉!」となりますと、スキゾマニアック
の破壊的且つ、退廃的なテクノの爆発状態。映像もそれに合わせて煽る煽る。
本当に「倶楽部文化」を肌で知つてゐる人の映像ですわ。

わたくしも、この大殺戮シインでは、『フィフス・エレメント』の時の様に、心は
銀幕の彼方の倶楽部に赴き「舞ひ」を舞つておりました。

「史上最凶のノンストップ・トランス・ムービー」の売りは、わたくしにとりまし
ては、正しく真実。


今度観る折りには、渋谷の映画館の最終回にて鑑賞をし、見終わつた後は、
倶楽部にて盛大に「舞ひ」をしたくなる。そんな映画体験で御座ひましたの。


♂♀∞♂♀∞♂♀∞♂♀∞久々の18禁モウド♂♀∞♂♀∞♂♀∞♂♀∞


この映画だけは、観た方に悪く言われても、全く気に為らなひ映画ですわ。
10人御覧になつたら、8人迄は、恐らく酷評すると思ひますの………。
でも、わたくしはそれで構ひませんわよ。『裏社交界の徒花』ですもの………。

『裏社交界の徒花』 マダム・DEEP(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

BGM:OST『ドーベルマン』

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