(乳)『エリン・ブロコビッチ』

大企業による公害と住民との「集団訴訟」を取り扱った映画では、『シビル・
アクション』がありましたが、あちらが「硬派」ならば、こちらは「軟派」に
見えたのですよ……スティーヴン・ソーダバーグの軽妙な演出と「アタシが主
役よ!」のジュリア・ロバーツ。そして彼女の暴走を防ぐアルバート・フィー
ニー様の三人四脚で、実に軽妙な裁判劇となっております。これは、快作。

話の展開は、非常に単純でして、2人の旦那と別れ、3人の子持ちであるエリン
・ブロコビッチ様(ジュリア・ロバーツ御嬢様)は、交通事故でお世話になった
エド・マスリー様(アルバート・フィニー様)の法律事務所に居候同様に駆け込
み職を得る。或る日、ジェンセン家の土地売買に絡んで何故か健康診断表が添付
されていることに不審を抱いたエリンは、ジェンセン家の主婦、ダナ(マージ・
ヘルゲンバーガー様)に訪問する……身体の異常を訴えるダナ。やがて、その異
常は大企業の排水が原因では無いのか?と疑惑を抱くが……

そーなんです。ハッキリと大企業が怪しいと決まっている話でありまして「実は、
南北戦争云々……」と因果が続く展開には為りません。(^^;;

この映画の魅力は、ジュリア・ロバーツ御嬢様演じたエリンが、肉体的魅力を駆
使することに何ら抵抗を感じていない点にあります。「ミス・ウィチタのアタシ
が奇麗なのは当然よ!世の為、人の為、自分の為にそれを振りまいて何が悪いの?」
と割り切っているものだから、サバサバしているし……「アタシがこれだけ苦労し
たのに……」と言う湿っぽさとも無縁。健全過ぎる位に健全ですが、その「影」の
部分を上手く引き受けているのが、アルバート・フィニー様演じたエド。
引退寸前……後は静かに一人暮らし……と考えていましたが、ほんの少しの正義心
と目の前を横切る大金に目が眩み……と言う設定が彼が演じることに因って俄然、
現実感を帯びてくるんですね。

で……この映画、観る迄は若いオネーチャンが、フフンと肩で風切る映画かと思っ
ていたんですが、史上最高額の和解金を手にする為には、人一倍の苦労をしなくて
は為らないことも伺える映画でありました。

「裁判映画友の会」広報担当 大倉 里司
(2000年5月31日 渋谷パンテオンにて鑑賞)

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