(憧)『エターナル・サンシャイン』

バレンタインデー直前に喧嘩別れしてしまった恋人のクレメンタイン
(ケイト・ウィンスレット御嬢様)と会う為に、冴えない男ジョエル
(ジム・キャリーさま)は、彼女の職場である大型書店に出向くが、
無視を通り越して、初対面のような応対を受ける……しかも、何と
自分より遥かに若いパトリック(イライジャ・ウッドさま)と職場
でいちゃついている始末。何でだ……???そう思っていた矢先、
ジョエルは、謎を解く一通の不思議な手紙を受けとる。
「クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。
今後、彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。ラクーナ社」
と素っ気無く書かれていた。

仲直りしようと思っていた矢先に、彼女が自分との記憶を消去してしま
ったことを知りショックを受けた彼は、自らもクレメンタインとの波乱
に満ちた日々を忘れようと、記憶除去を専門とするラクーナ医院の門を
叩いていた……。予約が一杯ですと電話応対に追われる受付嬢のメアリー
(キルスティン・ダンスト御嬢様)の御機嫌が良かったのか、ジョエルは、
開発者であるハワード・ミュージワック博士(トム・ウィルキンソンさま)
の診察を受ける事に成功する。博士曰くこの手術法は、一晩寝ている間に、
脳の中の特定の記憶だけを消去できるという便利なもの。
さっそく、博士の指示通り彼女との思い出の品を掻き集め、睡眠薬を飲
んで、施術を受けるジョエル。ラクーナの技師のスタン(マーク・ラフ
ァロさま)、そしてクレメンタインを横取りしたパトリックが現在から
過去へと記憶を消していくあいだ、無意識のジョエルは、クレメンタイン
と過ごした日々を逆回転で体験する。最初に甦るのは、カップルの末期
症状の姿。喧嘩が絶えず、不満や猜疑心に満ちている。
しかし、記憶をさかのぼるに従って、ジョエルの胸は痛み始め、手術を
止めたいと思うようになる。そこには、忘れたくない素敵な日々が蘇っ
ていった……。

珍しく延々と粗筋を書きましたが、実際にはもっと複雑な構成になって
おりまして、殆どがジョエルの脳内記憶で展開される為に、あちらの記憶
からこちらの記憶……基本的には記憶を逆行していく展開が、何時の間に
か二重構造になっているんです。と……申しても完璧な二重構造では
無くて微妙にズレているところがこの映画のキモの部分。

と……書いているんだけど、実に書くのが難しいんですねぇ。何故か?
と言えば、人間一つや二つ恋をするもの……
今は亡き作家の森 瑤子さまが『復讐のような愛がしてみたい』の中で
書かれていて、未だに胸の中にグサリと刺さっている言葉がありまして、

「傷心と空虚……貴方はどっちをとる?」

つまり、恋をするには膨大なエネルギーが必要でして、別れる際もまた
同じ。若い内はエネルギー全開なんで、傷を負っても恋をしたいと思う
もの、ところが歳を重ねていくとパワーが枯渇していって、傷を負うのは
出来れば避けたい。恋をして膨大なエネルギーをするのは、自然に避けて
いくと言う説。今、思い返しても鋭いなぁ……と思うのですが、自分の
場合、若い内から「空虚型」でして、深く付き合おうとする前に破綻が
来てたり、相思相愛かと思いきや最初から片思いだったとか……或いは
言語の問題やら他の問題で「恋」に至るまでに雨霧消散していたり……
この映画に出てくるような「一般的なドロドロ状態」って経験が無いまま
空虚な関係ばかり重ねてきたんですねぇ。

と……言うことで、最初の部分の「嫌な部分」は、ホントに経験無し。
だから逆な意味で嫌な映画だと言えなくも無いんですが……ああっ、世間
一般の人々はこんなに充実した恋愛をしているのねんと羨ましく、また
醒めた見方しか出来ないんですね。(涙)

こんな事なんで、延々と粗筋を埋めて「空虚」さを満たしていた次第です。

ですが……気づいたことが一つあります。とっても意外でしょうが、この
映画冒頭からオープニング・クレジットが流れるまでの時間が「異常」に
長い事。ハッと気が付いて時計を見たら14〜15分位あったでしょうか?
この作り方、まず聖林映画では異例中の異例で、インド映画に見られる位。
そして、これこそが「カウフマン・コード」を解く一つの鍵なんですが、
最初にジョエルがクレメンタイン家を訪問した時の音楽♪これを聴いて
愕然としました……!!!
インド映画の主題歌……それも歴史的な名作。グル・ダッド監督の
『紙の
花』
で劇中で歌われていた唄なんです。(要確認)
それも、映画監督だった主人公が撮影所で、昔関係があり、現在は映画
スターとなっていたヒロインと再会寸前に引き裂かれてしまい、何故この
映画の題名が『紙の花』であるかが判明すると言う強烈なものなんです。

ここにこの映画のテーマが「別離」と「再会」を果たす「カウフマン・
コード」が隠されていたと考えるのは穿ち過ぎでしょうか?

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2005年4月14日ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて鑑賞)

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