(夫)『エゥ・トゥ・エリス』

ブラジル東北部の辺鄙な村。臨月も近い花嫁ダレーン(ヘジーナ・カゼ様)が、
花婿を待てど来ない………陽が沈む頃やっと思い直して、トボトボと出戻り……
そして3年後……彼女の母親が死に、その葬儀の席で初老の男オズィアス(リマ
・デゥアルテ様)から結婚の申し出を受け……他に身寄りの無いダレーンは、彼
の元に……だが……オズィアスは、日がな一日ラジオを聞くばかりで何にもしな
いグウタラ亭主であった……。
そんな亭主、オズィアスに愛想を尽かせたダレーンは、前の男との間に出来た子
供を農場に養子として出して家出を図るが、呆気なく引き戻されてしまう。捨て
る神あれば、拾う神ありで……そんな窮状を見るに見かねた中年男のゼニーニョ
(ステニオ・ガルシア様)は、ダレーンに急接近……家事全般をこなす役に立つ男。
一家に一人は欲しい存在。(笑)まあ……そうこうして居る内に御約束事をしてし
まい……何と!青い目の子供が産まれたものだから、亭主は怒った!ですが……
奥方は稼ぎをしてくるし、家事全般は居候のゼニーニョが取り仕切っているものだ
から亭主は、ふてくされてラジオを聴いているしか無い。

さて……刈り入れの季節。ダレーンの農場に若くて逞しい男、シーロ(ルイス・
カルロス・ヴァスコンレーロス様)が雇われて来た……老人と中年と青年のどれ
と寝ると聞かれたら、ダレーンに限らず若い方が良いわん……と言う訳で食事の
時間も惜しんでセッセと子作り(コンドーム位……カトリックの国だからなぁ……)
そして、肌を重ねた相手と言うことでシーロも雪崩れ込み。何故か亭主オズィア
スの手厚い歓迎を受け……滞留計画の為、特別個室まで作って貰える国賓待遇。

こうして、ダーレンは、男同士の嫉妬と執着を利用し、何時の間にか勢力を拡大
しているのでありました……

ラテン・アメリカ映画小特集の5本の中で、唯一日本公開が決まっているだけ
に(ブラジル支社が買い付けた模様)出来栄えが一番手堅いし、撮影、小道具
もかなり凝っていて貧乏臭い話の割にはお金が掛かっています。(^^;;

この話の面白さは、段々と男が増えていくに従って、女の立場が強くなると言
う逆説的なところなんですね。最初はかなり陰惨な話で……どこがコメディじ
ゃ?と思っていたら……あれまあ………と為りまして、まあ結果的にはメデタ
シ、メデタシなんで……日本公開して、単館公開しても良いのでは無いでしょ
うか?

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年10月1日 東京国際映画祭 シネマプリズムにて鑑賞 渋東シネタワー3)

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