(夢)『フォーエバー・フィーバー』

本筋とは関係無いのであるが、良く考えたら50音別表記だと年代別には表記
されないんですね………(当たり前だけど)

本日から、第12回東京国際映画祭がスタートしたのですが、ファンタは、前
日から熱かった。

開場が23時………で立て続けに4本の上映を行ったので終了は、何と朝8時
10分(爆)

前置きが長いと………映画本編がつまらないのでは?と思われる節もあるが……
とんでも御座いません。(笑)1本目の『フォーエバー・フィーバー』から飛ば
しまくっておりました。(^o^)

今や「古典」の域に迄入ってしまったのが、ブルース・リーのドラゴンシリーズ
と片や聖林からは、『サタデー・ナイト・フィーバー』から始まったディスコ・
ブームがあった。

ぼくが、中学生時分の時も、この二つと「SW」は、映画の中心部に居りまし
た………。

シンガポールにおいても、状況は日本と変わらなかった様でして………
中国系住民の数が多いだけに、ブルース・リー人気は高かったと想像されます。

映画の方は、77年のシンガポール。ブルース・リー似の主人公のホック(エ
イドリアン・パン)は、医学校に通って将来を嘱望された弟ベンと、空想癖の
ある妹………口煩い両親、未だに国語(北京語か広東語かの判別が付かず)し
か語らない祖母と一緒に暮らす日々。

常日頃、出来の良い弟と比較され………スーパーで店員として働く傍らその金
を溜めて、何れは自分のバイクを持つことが夢となっておりました。

或る日、悪友と一緒にブルース・リーの映画を観に行く予定だったのが、折り
悪く公開終了………替りに掛かっていたのが『フォーエバー・フィーバー』だ
ったのです。当初は、「ダンスは女々しいもの」と食わず嫌いをしていたホック
も映画の進行と共に引き入れられダンスの虜になっていくのでありました。

渡りに船とばかりに………某マダムから貰ったチラシには、ダンスコンテスト
の広告が………優勝者には5000シンガポールドルの賞金が与えられる………
これで念願のバイクが手に入るとばかりに、幼なじみのメイとダンス教室に通
い………優勝を目指すのですが………。

ぼくは、この映画を観て、シンガポールのタランティーノ誕生だと喜びました。

と言うのは、ディスコ(と言うか倶楽部)を舞台にした映画では、『54』が
ありましたが………この作品から受けるイメージは、『54』と言うよりも、
『トゥルー・ロマンス』と『ブギー・ナイツ』を足して二で割ったイメージに
近いのです。

『トゥルー・ロマンス』では、クリスチャン・スレーター演じる主人公の導き
役がエルヴィス・プレスリーの亡霊でしたが、今回は『カイロの紫のバラ』同
様に、映画の主人公がスクリーンを出てしまう設定になっております。

しかも、このトニーと言うキャラクターがトラボルタをもっと泥臭くした様な
処が良い!実に親切にあれこれと指導してくれるのですね(笑)

で………何故、『ブギーナイツ』が出てくるか?と言えば、家族の描写にそれ
が出ております。一般公開前ですので詳しくは書きませんが、出来の良い弟が
本名のベンでは無く、何故レスリーと呼ばれたがっていたのか?
何故、妹が海外ロマンス小説のヒロインにあれほど迄に固執するのか?

本家の『サタデー・ナイト・フィーバー』にも描かれていたのですが、現実が
閉塞的な将来像を描くことしか出来ない為に、せめて土曜の夜だけでも一張羅
に身を包んで華やかな席に顔を出したい………一晩だけでも栄華を味わいたい
という切なる想いがあるからなのです。

それらの状況を、グレン・ゴーイ監督は、丹念にエピソードの一つ一つを重ね
合せております。タランティーノが取締役を務めるミラマックス社で全米配給
が決まったと言うのも素直に肯ける出来栄えでした。

日本では来年の春に、恵比寿ガーデンシネマ他にて公開の予定です。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(10月29日 第12回東京ファンタスティック映画祭前夜祭にて鑑賞)

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