(霊)『ルーヴルの怪人』

時は1935年、考古学者デフォンテーヌ教授率いる遺跡調査団は、3000
年前のミイラを発掘し、調査と展示のためルーヴル美術館に向かって港を
出航するが、間もなく教授も乗組員たちも悪夢にうなされ、謎の自殺が続
出。教授も謎の死を遂げ、その記録はルーヴルの収蔵室の奥深くにしまわ
れたきり、忘れ去られてしまう………。
ミッテラン大統領の命により「大ルーヴル計画」により日本円にして940
億円を掛けた大改造計画がはじまって間も無く、ルーヴル美術館の地下収蔵
室から謎の石棺が、デフォンテーヌ教授の日誌と共に発見される。イギリス
からミイラ学の権威グレンダ・スペンサー博士(ジュリー・クリスティさま)
が呼ばれ、ミイラの調査が始まった。しかし、そのときから不可思議な現象
がルーヴル内に蔓延する。度重なる電気回路の故障は、周囲の建物にも広が
っていった………。


ええっと………あらかじめ申しておきますが、極めて出来が悪い映画なん
です。(^^;;
最初のミイラ発掘シーンから………駄目じゃこりゃ(--;)と思っていたの
ですが、舞台が世界四大美術館の筆頭を飾るルーヴル美術館となれば、美術
ファンとしては観ずには居られませんよねぇ………。
ところが………このルーヴル美術館ってところで、実に深い味わいを醸し
出しているんです。

ミイラから、電気回線を通して亡霊が出て来て………この映画のヒロイン
リザ(ソフィー・マルソー御嬢様)に取り付くんですが………この亡霊が、
中々可哀想な奴でして………とねた明かしになるんで詳細は避けますが、
まぁ………こうなったのも仕方無いよねぇ(涙)と段々と感情移入モード
に入ってからが、急激に面白くなるんです。もうノリノリの世界\(^0^)/

キャラクターも中々古美術マニヤには涎が出そうな設定でして、下手を
すると学芸員よりもエジプト美術に詳しくて、尚且つ「国立ルーヴル美術
学院」にて、勤務の合間に受講している警備員(警備の傍ら、段々と魅せ
られて一般向け講座に参加されている方も居りました<実話)
「こいつは理解があるから大切にするよーに」と願っていると……酷い目
には遭うんですが、最後迄「命は大切にね(^o^)」と言うメッセージ性(?)
をも秘めた展開になるのが嬉しいところ。

そして……昔、同様の事件があって、警視総監の命を受けたヴェルラック
(ミシェル・セローさま)とスペンサー博士の間には………と言う熟年の
戀もあって、ありきたりなれど微笑ましいんですよ。

そして………ルーヴル美術館の「三種の神器」としての『モナリザ』
(ドノン翼2階に展示)、『ミロのヴィーナス』(シュリー翼1階に展示)
『サモトラケのニケ』(ドノン翼からシュリー翼&リシュシュー翼への
入り口となる大階段の踊り場に展示<ルーブルの狛犬!(^^;;)は、「特別
扱い」として、丹念に紹介。

これを観てルーヴル美術館に行きたいと熱望するのは、自分だけでは無い
気が致します。

自称「カルト部屋御挨拶係」大倉 里司

(2002年6月16日丸の内シャンゼリゼにて鑑賞)

 

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