(美)『双生児』

皆様、御機嫌如何でせうか?わたくし、マダム・DEEPで御座ひます。

明治末期、大徳寺様の跡取りには、名医の誉れ高ひ雪雄様(本木雅弘様)に
は、記憶を無くされた美人の若奥様でゐらつしゃるりん様がお出でになつた
ので御座ひます。

りん様が入られてしばらくしてからの事で御座ひました。大旦那様が原因
不明の急死、そして大奥様も後を追われるやうに………(喪)

それに………旦那様は休診の札を掛け、診療はお休みに為られますし………
わたくしの勘違ひかも知れませんけれども………以前とちょつと感じが違ふ
やうな。

それに、近所での評判では、薄汚ひ貧民窟の御方を見たと云ふ噂も出ており
ますの………わたくし、恐ろしくて表にも出られませんのよ。ゑゑ。

これがわたくしが伝へ聞ひた風評で御座ひます。
まさしく、大ゴシック浪漫の香り漂ふ「官能」と「毒」に彩られた壮大な
一大絵巻。

何と申しましても、配役の豪華さには溜息が出るばかりでせう(うつとり)

本木雅弘様が天性の美貌を潰して、「異形に通じる形式美」の極に迄達して
おられますし、若奥様のりん様はこれが銀幕デビュウとは思へなひ程に「目
に光」が御座ひます。(絶賛)
大奥様の藤村志保様、大旦那様の筒井康隆様、もふ一人の父でゐらつしゃる
麿赤児様、竹中直人様、田口トモロヲ様、浅野忠信様(最近のお気に入りの
殿御(*^_^*)(ポッ))とまあ、良くもこれだけ揃へたものでせう。

全体を蔽う色彩、凝りに凝つた調度品の数々。杉戸は全て一級品揃ひ。襖絵
も中々でせうが、一点だけ調和が取れてゐなひものが御座ひましたが、これ
だけ「和の美」を極めてゐらつしゃれば、意見等は申すべきでは御座ひませ
んわね。
何よりも、明治に名品が多ひ石油ランプと、舶来柄の伊万里の紅茶茶器が素
晴らしひもので、うつとりと見とれてしまひましたの。

市川 崑監督作品かと錯覚して仕舞つた程でせう。(*^_^*)(ポッ)

それに、「貧民窟」と名指しをし、極めて露悪的に見せてしまつた視線が、
嫌味がまるでなく「異形とされて仕舞つた者」への激しひ愛を感じたのでせ
う。(きつぱり)

まことに持つて、わたくしにとりましては、「至福」の時間。
「品」と「艶」それに全体を蔽ふ「悲」と「愛」………赤ひ糸が絡みあうや
うに運命の歯車が廻りはじめる官能のひととき。

これこそ、和製大ゴシック浪漫の金字塔でせう。

「裏社交界の徒花」 マダム・DEEP
(9月18日、有楽町スバル座にて鑑賞)

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