(粋)『グロリア』

皆様、御機嫌如何でせふか?わたくし、マダム・DEEPと申します。

御婦人が登場する「犯罪映画」の傑作は数多く御座ひますが、
御婦人が主役の「ハアドボイルド映画」は、さふ数多く無ひのでせふ。

この『グロリア』は、ジョン・カサベテス監督が80年に撮り上げた、
「ハアド・ボイルド映画」の金字塔的傑作でせふ。

ニューヨークに御座ひます、サウス・ブロンクス地区に御住まひの
グロリア姐さんは、アパートの隣人である、「組織」の会計士に頼
まれて6歳の少年を引き取ることになる……その数分後一家は
惨殺。遺されたものは、6歳の少年と会計士の父が遺した手帳……。
グロリア姐さんは、その少年を守る為、必死の逃避行&反撃を
続けるが……とやふ筋立て。

参度目の鑑賞になりますが、これを銀幕で観る機会が無く、嬉しひ
ことで御座ひます。

この映画の特徴は、何よりも「街が生きてゐる」とやふ点。大通りで
うざつたくなつた少年を置き、一人バアのカウンタアで煙草を吸ふ
グロリア姐さん。うざつたくなつたとは言へ、少しばかり心配……
彼女は、バアテンダアに少年の確認をして貰ふのですが……。
この時のバアの空気が絶品の味わひ……朝八時よりの営業をして
ゐるやふで、他の店で夜を過ごした客が倒れてゐる状景等は
正に、酒場の空気……それと磨き挙げられたカウンタアとの配置が
素晴らしく良ひのでせふ。

それと、姐さんが着てゐらつしゃるウンガロの服が良く似合ふことと
言つたら……(*^_^*)(ポッ)

少年が墓地で、死んだ母への別れを告げる時にお召しになられて
ゐた黒地のガウンは四拾代を迎へなひと決して似合わなひもので
せふが、もふ嵌まり過ぎておりますの。(*^_^*)(ポッ)

粋筋の姐さんならではの啖呵の切れの良さと、今は組織の上層部
になつて仕舞つた男トニーとの、苦ひ再会は大人の味わひ。

そして、ラストは、ビル・コンティ様の見事なスコアと合ひまつて、徐々
に画面が押し上げれて行く……わたくしは、そこに「愛」を見出します
のよ……。

「裏社交界の徒花」 マダム・DEEP(HCD05016@nifty.ne.jp)
(5月1日 シネセゾン渋谷 レイトショーにて鑑賞)

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