(並)『秘密』

今や「職人監督」となっている滝田洋二郎監督の最新作。

全般的に悪く無い作りなのですが………「小賢しさ」があちらこちらに点在し、
プロットを変えれば難病物に置き換えられる話しなんですねぇ。

良くも悪くもテレビ屋さんが作った映画でしょうか………。(別に怒っても呆
れてもおりません。ごく「普通」の感想です。(^^ゞ

食品メーカーの商品開発室に勤める平凡な小市民杉田平介(小林薫様)の生活
は突然終わりを告げた。 妻・直子(岸本加代子様)と娘・藻奈美(広末涼子)
が乗ったスキーバスが崖から転落したのだが、 病院に運ばれた妻は息を引き取
り、一方の娘は一命を取りとめるが、意識が戻った娘の人格は、なんと妻だった!
さあ、どうなる………と言うのが大体の粗筋。

う〜ん。まずねぇ………バスの転落シーンなのですが、あのアトム・エゴヤン
監督の『スウィート・ヒアアフター』を期待すると外されます。(^^ゞ

あの映画では、断崖と言うよりは、単に凍り付いた湖にバスが落ちてゆくだけ
の場面でしたが、「絵」に神々しさをも含めた「宿命」が感じられたのです(涙)

「ぼくは何もしてあげることは出来ませんが………最後まで往生を見届けてあげ
ましょう」と言う一種の覚悟の様なものさえ観客に要求するような力がありまし
た………。

今回は、「バスの転落」がメインでは無いものの………ちょっと安直な写し方
の様な気がするのですよ………昭和50年の元旦に起きた青木湖バス転落事故の
画像が未だに焼き付いている為かも知れませんが……(乗車数62人………内、
死者24名の大惨事でした)

このバスのシーンがこれだけで済むのでしたら、これでも良かったのでしょう
けれども、後々の運命と選択に大きな影響を及ぼすことに為るだけに安直に描
くことは避けて欲しかった気が致します。

で………話し変わって、小林薫様って、今迄ジミな感じしか持たなかったので
すが、こうして観ると中々可愛いですねぇ………(^^)

広末涼子も『鉄道員』よりは、良い感じですが………でもねぇ。広がりが無い
んですね。

何でしょうか………ぼくが「普通」の男女物に興味が薄いと言うことも差し引
いてみても、「手堅い」と言うよりは、「小器用」に纏めてしまったなぁ……
と言う感じですねぇ。

テレビのスペシャル版で放映すれば、良い出来だと誉められるのですが、ぼく
にとっては、せいぜい並盛りの牛丼一杯分の価値しか無い気がします。
(別に金返せぇ………では無い)(^^;;

ラストは賛否がハッキリと別れる作り方をしておりますねぇ………。

どうなんでしょうか?「普通の結婚」を送っている皆様に聞いてみたい気が致します。(^^;;

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(10月1日 ワーナー・マイカル・シネマズ 市川妙典7にて鑑賞)

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