(絵)『迷宮のレンブラント』

贋作者のハリー・ドノバン(ジェイソン・パトリック様)は、ニューヨークで、
片手間の贋作を売りながら苦労していたとき、ハリーは特別な依頼を受ける。
その依頼はオランダの巨匠レンブラントの絵画を描くことだった。最初は気乗
りがしなかったが、報酬として差し出された50万ドルがあれば、病気の父親ミル
トン(ロッド・スタイガー様)の面倒を見る現金も手に入る。意を決してレンブ
ラントの故郷、アムステルダムに飛んで、手当たり次第に資料を当たっていた。
その最中に出会ったのが、自称学生のマリーケ(イレーヌ・ジャコブ御嬢様)
だった………。彼女の手引きもあって、修復中のレンブラント作品を目にし……
ハリーは密かに、顔料を盗み取り、贋作作りをはじめようとしていた………。

レンブラント・ファン・レインと言えば、泣く子も黙る和蘭絵画……いや、
オールド・マスターの世界でもまず間違いなくトップ10入りを果たすのでは
無いかと言う大巨匠……完成された油絵は、まず軽く見積もっても30億円は
下らないであろう存在。

で……そうした大家の為、贋作が非常に多いことが良く判る一本なんです。何
故かと言えば、「有名どころ」の作品でないと贋作を作っても引き合わないの
でして、この映画の最大の見せ所は、後半のサスペンスよりも、前半の「贋作」
が世に出るテクニックにあるんです。

顔料も当時のものを使わないと為りませんし、画布、筆、額縁と全てその時代
のものを使わないと直ぐに判ってしまう。そして、肝心要なのは、レンブラント
と匹敵する位の画力が無いと作品にパンと弾き飛ばされてしまう点です。

そして、出来上がった品を一流の美術商が、上手く「舞台を張って」それらしく
見せなくては為らない……その為の資料収集。

が……これが上手く出来過ぎてしまった為に、ハリーの身に災難が降りかかる訳
でして、言わば「ハリーの災難〜絵画編」(^^ゞ

ミステリー映画としては、悪役の動機が良く分からないと言う点が最大の欠点
ですが、それを除けば、非常に細部に至るまでの伏線が巧みに張り巡らされて、
無駄なシーンが無いんです。「悪役」を除いては、殆ど全てのセリフがこれま
た最後迄キチンと繋がるところに驚きました。(^^;;

尤も、聖林の娯楽映画として出来ている為、深みに欠けるといえばそうなんです
けれども、それを補っているのがロッド・スタイガー様演じた父の存在。ハリー
がレンブラントの手法を使いつつも、結果的には「自分の作品」として描いてし
まったと言うところが泣かせます。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年5月12日ビデオにて鑑賞)

映画にも登場する、レンブラントの代表作の一つ「夜警」はここをクリック

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