(難)『アイ・ウェント・ダウン』

青年ギット(ピーター・マクドナルド様)は、刑務所で残り刑期3ヶ月と言う
時に恋人のサブリナ(アントイン・バーン御嬢様)に棄てられる。(涙)刑務所
を出てからも、サブリナの現彼氏アントの借金の肩代わりをする為に、地元の
ギャングの親玉トム・フレンチ(トニー・ドイル様)から、ある一つの仕事を
請け負う羽目になる。それは、トムの昔の相棒であった、フランク・グローガ
ン(ピーター・キャフリー様)を拉致し、トムの元へと連れてくることだった。
トムが指名した相棒は乱暴者と悪名高いバニー(ブレンダン・グリーソン様)
かくして、凸凹コンビのフランク奪還作戦がはじまろうとしていた。

数々の映画祭で受賞を重ねており、粗筋を書いてもこうですから、本来であれ
ば面白くなる筈だと……期待して行ったのですが、これが自分には合わなかっ
たのですよ。演出が稚拙とか……脚本がイケマセンと一言で切り捨てるには惜
しい作品なのですが……自分なりに考えてみると、「リズム」の問題なんです
よね。美味しい要素を詰め込んではいるんですが、ポリシーの問題なのか?
気が付いて居なかったのか?「あれ?」って感じで放置されているものが多い
気が致します。

この手の映画にしては珍しく、ストレートに物語を進めていくのは、小賢しさが
無くて好感が持てるのですが、奪還したフランクがお喋りなもの、これがもう少
し伏線となっていると嬉しかったですし、幾ら喋っていても笑えない。かと言っ
て味わいも薄いんですわ。主役二人のキャラクターの立て方が良いのに、それに
絡む人間のクセが弱いとこうまで魅力が薄れるものかと思った次第なんです。

ブレンダン・グリーソン様は、『ザ・ジェネラル』と同じく、割とハンサムな相
方と組むと味わいが醸し出されて良い感じですし、今回の拾い物はピーター・マ
クドナルド様の顔立ち。何か何時も不満を抱えそうでいて、それで表に出せない
情けない役を演じるにはピッタリの配役なんです。アトム・エゴヤンの『フェリ
シアの旅』でどうやって化けているか?今後が注目される有望株の一人でしょう。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年4月9日 ケルティック・フィルム・フェス 草月ホールにて鑑賞)

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