(奇)『ジーンズ〜世界は二人のために』

今迄観てきた印度大娯楽映画は、「絢爛豪華な衣装」と「華麗な舞ひ」そして、
「強引な筋運び」と言うことで共通項がありますが、この「強引な筋運び」でも、
一、二を競うのでは無いか?と感じたのが、この映画。

だからと言って、決してつまらない訳では無くて、それ故に面白かったりするの
ですが……(^^;;

どこからどこまでも似ている一卵性双生児のヴィンスとラム(プラシャーント様)
は、L.Aに父ナーチャッパン(ナーザル様)と一緒に住んでいる医学生。二人
は着ものまでを統一しているので、父が経営しているインドレストランのコック
のジュノ(センディル様)迄も見分けが着かないほど。ランチを運びに空港に行
った二人の内、ヴィンスは思わぬことから、インドから来た一家を手助けするこ
とに。その家族の中には、マドゥ(アイシュワリヤ・ライ御嬢様)も居て、間も
無くヴィンスとラムは恋仲になる……めでたしめでたし……と為ったら映画は先
に進まない。(笑)

御約束通りの定番として、ヴィンスの父親であるナーチャッパンは、結婚となる
と大反対……。息子は双子の姉妹としか結婚させないと言い放つ始末……その理
由は、余りにも横溝正史調の怪奇浪漫の香りが漂うもので御座いました。(涙)
伊達に歳は取っていないマドゥの祖母は、一世一代の大芝居を打つのですが……
さあ、その結末とは。

ハリウッドとの初の合作と銘打っているだけありまして、絢爛たる舞ひのシーン
の背景がハンパじゃ無く凄い!スイスを舞台にするのは定番でしたが、今回は
スイスもロンドンも無く、「反DDLJ」路線を突っ走るかの様にアメリカ、フランス、
イタリア、エジプト、中国まで行ってしまうのだから凄い。しかも「何の意味も無
い!」ところがGOOD!『80日間世界一周』どころでは無く、僅か10分の内
に旧所名跡を廻ってしまうのだからお得感があります。

そして……冒頭に示されたL.Aの夜景なんだけど……ここで何故か?
エンドロールの様なものが流れる(笑)

まだまだあるぞ!祖母の打った一世一代の大芝居とは……何とマドゥに双子の妹
が居ると見せ掛けることだった……。兄弟とは言え、女の趣味まで何故似る?
このシーンで、追求を避ける為に二人で舞うシーンがあるのですが……これが涙
無くしては観られない程に笑えます。

そして待ち受ける驚愕の結末とは……MTV的なノリの良さでは、あの『マドラ
スカレッジ大通り』を彷彿とさせるものですが、まだあの結末はこれに比べたら
大人しいものです。ホント……余りの強引な進め方に開いた口がふさがりません
でした。でも、許す!

タミル語圏の映画って、ラジニカーント主演の映画は未だ「正統派」だったのね
と再確認出来た一作でありました。


「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年2月9日 シネセゾン渋谷にて鑑賞)

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