(信)『戦場のアリア』

激烈な戦下が続いた1914年。フランスとスコットランドの
連合軍と、ドイツ軍が連日砲弾を鳴り響かせているフランス北部
の村デンソー。クリスマスだけは家族のもとへ帰りたいと兵士の
誰もが願っていたが、戦況はますます過酷を極めていた。
そして訪れたクリスマスの夜。ドイツ軍には10万本のクリスマス
・ツリーが届けられ、スコットランド軍の塹壕からはバグパイプ
の音色が聞こえてくる。そして一つの歌声から奇跡は起こった…。

自分にとりましての「戦争映画の座標軸」とは、戦闘シーンが哀
しいかどうか?この一点に尽きるのですが、冒頭から塹壕の中の
描写があり、その一瞬だけでこの映画を信用する気になりました。

出てくる兵士達一人一人に「顔」があり、それぞれに母国語で会
話をしているところ。一夜限りの和平とは言え、兄弟を失った哀
しみに因って和平の輪の中に入り込めない若者も居れば、僅か
歩いて一時間の所に実家があり、家族が心配している兵士も居る。
そうした様々な人間模様を織り込んで展開される一大絵巻です。

うん……判りきっていることなんですが、「こんな時に出会わな
ければお互いに良い友人になれたのに」とは、実際に戦闘に参加
した兵士、この映画に参加されたスタッフとキャスト……そして、
スクリーンの向こう側を見つめている我々観客にもストレートに
打ち込んでくる真実の言葉でありましょう。

この史実は、「公式戦史」としては、どの国の記録にも残ってい
ないことから察せられる通り、予定調和的なハッピーエンドが
用意されている訳ではありません。しかし……過酷な運命が待ち
受けているんですが、それでも「大切な何か」を再び得た彼等は
安心を得て過酷な戦地に赴くことになるのです。
それが幸福だったのか?不幸な出来事だったのか?現実には判り
ませんが、映画の中では「色々あったけど、これで良かったんだ
よ」と囁きかけてくれる気が致しました。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2006年5月1日シネマイクスピアリにて鑑賞)

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